Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

びん、かん。

2012-09-18 00:15:00 | コラム
ビールの瓶・缶に埋もれている。

映画小僧を自称するものなのに、格闘技マニアを自称するものなのに、アイドル狂を自称するものなのに、AVオタクを自称するものなのに、煙なきゃモノが書けないという愛煙家を自称するものなのに、
フェイスブックのタイムライン画像はこんな感じで
大して強くもないクセして、酔いどれな自分に酔っている。


毎週土曜は「ビン・カン」のゴミ収集日で、大量の瓶・缶を捨てながら思う、あれ、世帯主としては若いほうの自分が、(団地)住民のなかで最も高価なビールを呑んでいるのか、、、と。
こういうところで節約しないから、多重債務者になった―かつて、ね―のだと思い知らされるが、そうなのだ、発泡酒・第三のビール隆盛の時代にあって、稼ぎがいいわけでもないのに純正ビールにこだわっているのである。

先日は団地の祭りがあり、生ビールをぐいぐいやりながら女子中高生の生態を観察していたら、同じ棟の奥さんに見つかり「あなたは家でも外でも、酔っているのね」といわれた。
確かにそうかもしれない・・・って、なぜ部屋のなかの自分のことを知っているんだ?

まぁいいや。
当たっているのだから。


ビールに埋もれている理由。

(1)頒布会に申し込んでいるので、毎月、ベルギーやドイツのビールが送られてくる。

その結果、呑まないひとだった「かーちゃん」の仏壇背景は、こんな感じに

迷惑かな?

(2)在庫を切らさないよう、ギャラが入る度にビールのケース買いを続けている。

そして、

(3)新聞奨学生という過去がそうさせるのか、新聞の勧誘は絶対に断らないようにしているのだが、この前、約7年後の契約を結んだ。

「いまってあれだもんね、ビール券はないんだよね?」
「えぇビール券はお渡しすることは出来ないのですが、発泡酒なら買ってまいります」

買って? まいるという表現に疑問を感じたものの、あげるというものを断る理由などない。

「じゃあ、お願いします」
「『淡麗』か『のどごし生』か選べますが」
「『淡麗』で」
「グリーンラベルですか」
「いえ、ふつうのやつで」
「では10分後に」

というわけで、1ケースいただいた。

買ってくるという疑問を有耶無耶にしつつ、本題はここから。

この拡張員、ふたりでやってきた。
自分と同世代の女子がメインで、20歳前後の男子がサブ。
男子はこっちに会釈するだけで、なにも喋らない。
たぶん新人研修みたいなもので、大袈裟にいうと師弟関係である。

ドアを閉めてからの会話が想像出来る。
「こんな客は稀だ。いまは大抵が、門前払いされる。きょうはラッキーだ」とかなんとか、いっているにちがいない。

師弟の映画といえば真っ先に思い浮かべるのは黒澤の『野良犬』(49…トップ画像)だったりするが、初期の成龍ジャッキーの映画もその構造が多い。香港のカンフー映画といったほうが適切か。
そんな香港映画に憧れてタランティーノは『キル・ビルvol.2』(2004)を創り、師弟とは関係ないが、『野良犬』からヒントを得て創られたのがPTAことポール・トーマス・アンダーソンの『マグノリア』(99)である。

どんな職場でも新人さんはベテランに仕事を教わるわけで、広義の意味では師弟関係は沢山存在する。
ただドラマに成り易いのは芸術や武道、そして、やはり刑事だろう。

自分の経験で最も印象に残るのは、私服保安員。
窃盗現場を確認し、犯罪を成立させてから逮捕する―ひとを犯罪者にする公安関連の仕事だから、そう簡単には「独り立ち」させない。かといって試験などがあるわけでもなく、師匠が頷くのを辛抱強く待つ、、、という日々が続く。

自分が所属していた警備会社は、私服保安部門を立ち上げたばかりだった。
じつは自分が第一号であり、自分は他社に派遣されて「独り立ち」をした。
その「毛が生えたばかり」の新人保安員が自社に戻り、唐突に昇進、アルバイトであったにも関わらず「次長」の肩書きをもらい、新人教育を始めるのである。
考えてみれば、ムチャクチャな話だった。

経験3ヶ月の男が、新人を教える。形は師弟だが、あまりにも頼りない師匠。
しかしそうもいっていられないので、ハッタリかまして毎日を乗り切る。

助平だからではなく、弟子が女子のほうが仕事はうまくいった。
同性の友人同士を装って万引き犯を監視するよりも、カップルや夫婦を装ったほうが自然に見えてばれにくかったから、、、である。
あとたぶん、こころのどこかで「自分がしっかりしなければ」という気持ちも働いていたにちがいない。

しかし。
その数ヶ月に自分は犯人捕獲に失敗し、大怪我を負うことになる。

これに懲りたのか、会社は私服保安部門から撤退。
「やってみたい」という興味だけでは、あまりにもリスクが大きい仕事だったのだ。

ただ、いい経験になったことは確か。
そんな自分にとっての理想の師弟関係は、映画界の是枝裕和と西川美和。

互いが刺激し合い、きちんと結果を残しているから。

じつに、うらやましい。


※『マグノリア』より。
エイミー・マンの歌声、大好き。




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明日のコラムは・・・

『にっぽん男優列伝(166)小出恵介』

コメント (3)
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