~北野武のキャリア10傑~
フライデー襲撃にバイク事故、
お笑いの急先鋒でありながら、俳優やってみたら(上手とはいえないけれど)雰囲気抜群で本職の俳優さんを喰ってしまう。
これだけでお腹いっぱいなのに、映画を撮る才能にも恵まれている。
好き嫌いは置いておいて、90年代以降の日本映画を語るうえで無視するわけにはいかない存在。
「フェリーニやりたい」と迷走した時期もあったけれど、軌道修正して現在は職業監督に。
そのクオリティはまちがいなく「中の上」、しかし監督として巧くなったぶん、初期のころに見られた「あたらしい映画の衝撃」は薄まってしまったのも事実か―と評したくなるのは、映画監督デビューがあまりにもセンセーションだったから、、、なのだった。
(1)『3-4X10月』(90)
映画館でアルバイトをしていた高校時代に公開、支配人に「たけしの映画をかけましょうよ」とリクエストするも「馬鹿、あんなの入るわけがない。桑田佳祐の映画をかけるぞ」と返され、反発の意味をこめて当日欠勤をした想い出あり笑
実際に当たらなかったが、職業監督であればまちがいなく撮れなかったであろうこの映画を、武自身が超えられないのではないか・・・と思うほど「すんごい作品」に仕上がっている。
(2)『ソナチネ』(93)
公開初日にも関わらず、ガラガラの映画館で観た。
けれども、幸福だった。
あたらしい映画を発見する喜びに満ちていた。
(3)『キッズ・リターン』(96)
バイク事故からの、リハビリのための映画。
俳優として顔を出さないところ、かえって新鮮だったなぁ。

(4)『座頭市』(2003)
娯楽作という意味では、キャリアのなかでいちばんの出来。
映画は、このくらい自由な発想で撮られていいと思う。
(5)『HANA-BI』(98)
ベネチア効果か、連日満員だった。
監督デビュー作からすべての作品を初日に観ているものとしては、とっても感慨深かった。
武流の死生観や日本論が、最も分かり易い形で表現されており、入門篇として最適なテキストだと思う。
(6)『アウトレイジ』(2010)
21世紀版の『仁義なき戦い』。
俳優さんたちが活き活きしていて、あぁみんな、こういうことをやりたかったんだなぁ、、、とニンマリ。
(7)『あの夏、いちばん静かな海。』(91)
サイレント風実験映画の佳作。
真木蔵人、俳優としてもっと大成してもいいよねぇ。

(8)『その男、凶暴につき』(89)
衝撃の監督デビュー作。
深作監督バージョンも観てみたかった気もするが、こんなにダークにはならなかっただろうね。
(9)『アウトレイジ ビヨンド』(2012)
インパクトは前作には及ばないものの、続編としては成功していると思う。

(10)『アキレスと亀』(2008)
正気と狂気のあいだをいくアーティストを描き、ゲージツの本質に迫ろうとしている。
もっと突き抜けてしまったほうが、面白かったのにな~。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『偏頭痛って、なにさ?』
フライデー襲撃にバイク事故、
お笑いの急先鋒でありながら、俳優やってみたら(上手とはいえないけれど)雰囲気抜群で本職の俳優さんを喰ってしまう。
これだけでお腹いっぱいなのに、映画を撮る才能にも恵まれている。
好き嫌いは置いておいて、90年代以降の日本映画を語るうえで無視するわけにはいかない存在。
「フェリーニやりたい」と迷走した時期もあったけれど、軌道修正して現在は職業監督に。
そのクオリティはまちがいなく「中の上」、しかし監督として巧くなったぶん、初期のころに見られた「あたらしい映画の衝撃」は薄まってしまったのも事実か―と評したくなるのは、映画監督デビューがあまりにもセンセーションだったから、、、なのだった。
(1)『3-4X10月』(90)
映画館でアルバイトをしていた高校時代に公開、支配人に「たけしの映画をかけましょうよ」とリクエストするも「馬鹿、あんなの入るわけがない。桑田佳祐の映画をかけるぞ」と返され、反発の意味をこめて当日欠勤をした想い出あり笑
実際に当たらなかったが、職業監督であればまちがいなく撮れなかったであろうこの映画を、武自身が超えられないのではないか・・・と思うほど「すんごい作品」に仕上がっている。
(2)『ソナチネ』(93)
公開初日にも関わらず、ガラガラの映画館で観た。
けれども、幸福だった。
あたらしい映画を発見する喜びに満ちていた。
(3)『キッズ・リターン』(96)
バイク事故からの、リハビリのための映画。
俳優として顔を出さないところ、かえって新鮮だったなぁ。

(4)『座頭市』(2003)
娯楽作という意味では、キャリアのなかでいちばんの出来。
映画は、このくらい自由な発想で撮られていいと思う。
(5)『HANA-BI』(98)
ベネチア効果か、連日満員だった。
監督デビュー作からすべての作品を初日に観ているものとしては、とっても感慨深かった。
武流の死生観や日本論が、最も分かり易い形で表現されており、入門篇として最適なテキストだと思う。
(6)『アウトレイジ』(2010)
21世紀版の『仁義なき戦い』。
俳優さんたちが活き活きしていて、あぁみんな、こういうことをやりたかったんだなぁ、、、とニンマリ。
(7)『あの夏、いちばん静かな海。』(91)
サイレント風実験映画の佳作。
真木蔵人、俳優としてもっと大成してもいいよねぇ。

(8)『その男、凶暴につき』(89)
衝撃の監督デビュー作。
深作監督バージョンも観てみたかった気もするが、こんなにダークにはならなかっただろうね。
(9)『アウトレイジ ビヨンド』(2012)
インパクトは前作には及ばないものの、続編としては成功していると思う。

(10)『アキレスと亀』(2008)
正気と狂気のあいだをいくアーティストを描き、ゲージツの本質に迫ろうとしている。
もっと突き抜けてしまったほうが、面白かったのにな~。
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明日のコラムは・・・
『偏頭痛って、なにさ?』