~ジェームズ・キャメロンのキャリア10傑~
キューブリックとスピルバーグ、そしてキャメロン。
この3人に共通することは、自作とテクノロジーの進化が密接な関係にあるところ。
ここに黒澤を加えて、4人にすることも可能だけれども。。。
創りたい映像が技術の未発達により不可能になった場合、大抵の監督は別の方法で創りたい映像に「近づける」選択をするが、この3人(4人)は、その技術が追いつく・完成するまで創作のほうを延期する。
延期するだけの権限を持つ、といいかえてもいいでしょう。
ゆえにキャメロンは、30年以上のキャリアを持つにも関わらず監督作は少なめ。
なので、10傑には監督作だけでなく脚本のみの参加や、製作総指揮として携わった作品も含まれる。
10傑を展開する前に、もうひとつ。
基本的には好きな監督ではあるものの、ひとつだけ「大嫌い」な作品がある。
それは、シュワ氏を起用したアクション・コメディ『トゥルーライズ』(94)。
コメディ部分がぜんぜん笑えない―というのも致命的だし、いやいやそれ以上に、核弾頭をめぐる物語で後半、いとも簡単に核爆発させる描写に呆れ返り、失望したものだった。
(1)『エイリアン2』(86)
「こんどは戦争だ!」
ミリタリーオタク、強い女性像。
キャメロンを語るうえで外せない二大要素が作品の相性と合致し、最高最強の娯楽作が生まれた。
(2)『ターミネーター』(84)
ホラー映画の手法「なかなかくたばらない」を、アンドロイドに取り入れたところが面白かった。
個人的な趣味だが、パート2より、パート1のリンダ・ハミルトンのほうが、野暮ったくて、ぽっちゃりしていて好き。
(3)『ランボー/怒りの脱出』(85)
脚本を担当。
特別優れているわけではないが、アクション映画好きの少年のハートは掴める内容になっているかと。
(4)『アビス』(89)
批評・興行の両面で失敗に終わった大作。
ただ水の生物の描写は美しいし、嫌いな映画じゃない。
(5)『タイタニック』(97)
こんなものを創られたら、日本はどうしようもない・・・と思ってしまった。
『風と共に去りぬ』(39)を観た小津が「米国に(戦争で)勝てっこない」といった―みたいな、強引にたとえればそんな感じ。
(6)『ターミネーター2』(91)
自分の世代にとって、忘れられない作品のひとつ。
メタリック調のクレジットに、まずやられた。
(7)『アバター』(2009)
すごいとは思うが、じつは好きになれない映画。
翼竜・イクランを乗りこなす過程が、ほとんどレイプ的思考だと思えるから。
(8)『ハートブルー』(91)
製作総指揮を担当。
監督は、元女房のキャスリーン・ビグロー。
新感覚のアクション映画として、もっともっと評価されていい傑作。
(9)『殺人魚フライングキラー』(81)
撮影途中に降板させられたことから、キャメロンにとっては触れてほしくない作品かもしれない。
実際、映画としてはお世辞にも良作とはいえないが、でもまぁ、なんというか愛嬌のあるんだな。
(10)『ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密』(2003)
『タイタニック』発表直後に制作されたドキュメンタリー。
その題材にどれだけのめりこむひとなのかが、これを観ると、よーーく分かる。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『oh! 色直し』
キューブリックとスピルバーグ、そしてキャメロン。
この3人に共通することは、自作とテクノロジーの進化が密接な関係にあるところ。
ここに黒澤を加えて、4人にすることも可能だけれども。。。
創りたい映像が技術の未発達により不可能になった場合、大抵の監督は別の方法で創りたい映像に「近づける」選択をするが、この3人(4人)は、その技術が追いつく・完成するまで創作のほうを延期する。
延期するだけの権限を持つ、といいかえてもいいでしょう。
ゆえにキャメロンは、30年以上のキャリアを持つにも関わらず監督作は少なめ。
なので、10傑には監督作だけでなく脚本のみの参加や、製作総指揮として携わった作品も含まれる。
10傑を展開する前に、もうひとつ。
基本的には好きな監督ではあるものの、ひとつだけ「大嫌い」な作品がある。
それは、シュワ氏を起用したアクション・コメディ『トゥルーライズ』(94)。
コメディ部分がぜんぜん笑えない―というのも致命的だし、いやいやそれ以上に、核弾頭をめぐる物語で後半、いとも簡単に核爆発させる描写に呆れ返り、失望したものだった。
(1)『エイリアン2』(86)
「こんどは戦争だ!」
ミリタリーオタク、強い女性像。
キャメロンを語るうえで外せない二大要素が作品の相性と合致し、最高最強の娯楽作が生まれた。
(2)『ターミネーター』(84)
ホラー映画の手法「なかなかくたばらない」を、アンドロイドに取り入れたところが面白かった。
個人的な趣味だが、パート2より、パート1のリンダ・ハミルトンのほうが、野暮ったくて、ぽっちゃりしていて好き。
(3)『ランボー/怒りの脱出』(85)
脚本を担当。
特別優れているわけではないが、アクション映画好きの少年のハートは掴める内容になっているかと。
(4)『アビス』(89)
批評・興行の両面で失敗に終わった大作。
ただ水の生物の描写は美しいし、嫌いな映画じゃない。
(5)『タイタニック』(97)
こんなものを創られたら、日本はどうしようもない・・・と思ってしまった。
『風と共に去りぬ』(39)を観た小津が「米国に(戦争で)勝てっこない」といった―みたいな、強引にたとえればそんな感じ。
(6)『ターミネーター2』(91)
自分の世代にとって、忘れられない作品のひとつ。
メタリック調のクレジットに、まずやられた。
(7)『アバター』(2009)
すごいとは思うが、じつは好きになれない映画。
翼竜・イクランを乗りこなす過程が、ほとんどレイプ的思考だと思えるから。
(8)『ハートブルー』(91)
製作総指揮を担当。
監督は、元女房のキャスリーン・ビグロー。
新感覚のアクション映画として、もっともっと評価されていい傑作。
(9)『殺人魚フライングキラー』(81)
撮影途中に降板させられたことから、キャメロンにとっては触れてほしくない作品かもしれない。
実際、映画としてはお世辞にも良作とはいえないが、でもまぁ、なんというか愛嬌のあるんだな。
(10)『ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密』(2003)
『タイタニック』発表直後に制作されたドキュメンタリー。
その題材にどれだけのめりこむひとなのかが、これを観ると、よーーく分かる。
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明日のコラムは・・・
『oh! 色直し』