Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画監督別10傑(21)クリント・イーストウッド

2018-07-13 00:10:00 | コラム
~クリント・イーストウッドのキャリア10傑~

イーストウッド御大、88歳。

もはやこの世に敵は存在せず、やりたいことをやりたいようにやって、敢えてこういう表現をするが、穏やかに死んでいくだけでしょう。


「僕は3行以上の台詞をいったことがない」

オスカー授賞式でプレゼンターを務めたときのことばだが、
これは、(遅刻した)チャールトン・ヘストンの代役に任命されるというアクシデントから生まれた、原稿なしの自虐的表現だった。

それから数十年後、映画界における最重要人物になるなんて誰が想像しただろうか。

隔世の感とは、こういうことをいうのだろう。


映画監督としての作家性は、あるようでいて、ない・・・ようでいて、じつはある。

ただ、撮りたいものを即決しているようなところがあり、ジャンルも多岐にわたることから、体質としては作家主義ではなく、職業監督なのかもしれない。


(1)『許されざる者』(92)

ひとを殺めるキャラクターを「散々」演じてきた男が、ひとを殺めることの無意味さを説く。

映画史的にも、かなり重要な作品だと思う。



(2)『恐怖のメロディ』(71)

記念すべき、初監督作品。

演出的な巧さは天性のものもあろうが、シーゲルやレオーネから学んだところもあるのだろう。



(3)『ミスティック・リバー』(2003)

後味の悪さといったらないが、イーストウッドは「観客より大事なものが、映画にはある」といっている。



(4)『グラン・トリノ』(2008)

頑固爺と、少年との交流。

これを遺言と捉えるファンも多いのだとか?

(5)『ホワイトハンター ブラックハート』(90)

『アフリカの女王』(51)撮影時の監督ジョン・ヒューストンの奇行(?)を描く。

初見は高校生のころで途中までは「??」であったが、クライマックスにハッとした。

(6)『バード』(88)

サックス奏者、チャーリー・パーカーの伝記物。

主演のフォレスト・ウィテカーが好演、イーストウッドの演出もじつに丁寧で、パーカーへの深い愛情が感じられる佳作に仕上がっている。



(7)『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)

スポーツを扱って安楽死の問題にまで斬りこんでいくところが、ほかの監督とはちがうところだろう。

(8)『ダーティハリー4』(83)

第1作の精神をきちんと受け継いだのは、第2作でも第3作でもなく、自らメガホンを持った第4作だった。



(9)『スペース カウボーイ』(2000)

おじいちゃん、宇宙で大活躍。

充分楽しめる娯楽作だが、意外なのはこれがその年の『キネマ旬報・ベストワン』に輝いたこと。

(10)『センチメンタル・アドベンチャー』(82)

味わい深いロードムービーであり、イーストウッドって、こんな映画も撮れるのかと驚いた。

息子、カイル・イーストウッドとの共演でも話題になった。



…………………………………………

明日のコラムは・・・

『それでもビール党』
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする