Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

QTの好きなもの ~QT映画公開記念~

2019-09-05 01:43:24 | コラム
QTタランティーノの新作、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』があまりにも素晴らしいので、早くも4回目の鑑賞。



といっても、万人におすすめ出来るタイプの映画ではない。

少なくとも、映画ファン「中級」以上のひとのために創られた映画だと思う。

シャロン・テート殺害事件を知っているのはもちろんのこと、
シャロンの死を惜しむ気持ちを少しでも持っていないとクライマックスの展開についていけないだろうし、
この事件以降のロマン・ポランスキーの歩みも深く理解しておく必要がある。

もちろん、この映画を入口にするのも「おおいに、あり。」だとは思うけれど。。。

きょうは、そんなQTが「愛してやまない」ふたつのもの―足と、車―について取り上げたい。

主に、後者について。


QTの足好きは有名。

自分もそうだが、自分の場合は「ふともも」「ひざ」「ふくらはぎ」などの「脚」英語ではlegかな。

しかしQTはfootのほうの足、とくに足指を愛でる。


『パルプ・フィクション』のユマ・サーマンの汚れた足の裏、
ユマ・サーマンでいえば『キル・ビル』(2003)で覚醒する際に足指を動かすシーンがある。
ブリジッド・フォンダは『ジャッキー・ブラウン』(97)でテーブルの上に素足を置き、



『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のマーゴッド・ロビーも劇場の椅子の背もたれに素足を乗せている。
『デス・プルーフ』(2007)のカート・ラッセルは、女子の素足をコチョコチョやっていたし!!


後者の「車」についても、なかなかのこだわりを持つ。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のブラピだって、レオくんと別れてから寝泊まりするトレーラーハウスまで、どんどん省略出来たはずなのに運転描写が延々とつづく。
もちろん「距離」を表してもいるのだが、それにしたって…という長さ。

これはもう、音楽と「車と、その運転」を見せたいからでしょう。


以下、そんなこだわりが「特に強いと思われるQT映画3傑」を。


(1)『パルプ・フィクション』

(トラボルタが)運転しながらドラッグをキメるシーンは、QTが自画自賛していた。



このシーン以外にも、車のなかで銃が暴発してしまうエピソードなど、車にまつわるアレコレが沢山。

(2)『ジャッキー・ブラウン』

オープニングで流れる『110番街交差点』はひたすら格好いいのに、エンディングで流れる同曲は、ただただ切ない。

映画オタクが、映画監督へと成長を遂げた瞬間―それを告げる名シーンだと思う。



(3)『デス・プルーフ』

車同士の衝突を射精・絶頂に見立てているところは、クローネンヴァーグの映画と同じですね。



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明日のコラムは・・・

『映画が描く映画の世界  ~QT映画公開記念2~』
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