Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画が描く映画の世界  ~QT映画公開記念2~

2019-09-06 00:10:00 | コラム
QTの新作映画公開記念、きょうはその第二夜。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』はタイトルのとおり映画の世界を描いた、いわゆる「業界物」。

ほかの監督が手がけたら大失敗に終わっていたであろう大胆な構成がいかにもQTらしい、
まぁそれはとりあえず置いておいて、映画業界を描いた映画の10傑を展開してみようじゃないかと。

夢を作り夢を売る産業だからって、その現場が夢のような世界であるとはかぎらない。

いやむしろ「その逆」のことが多く・・・
しかし、それでも映画を創ることをやめられない、それでも映画を愛することをやめられない、

そんな、こころのこもった10篇の恋文はどれもおすすめです。


(1)『ザ・プレイヤー』(92)



ハリウッドに干された経験を持つアルトマンが描く、「売れる映画の方程式」は皮肉たっぷりで観ているほうも苦笑い。

(2)『フェリーニの8 1/2』(63)

映画監督の、頭のなかを覗いてみましょう。

(3)『インランド・エンパイア』(2006)

リンチはリンチ、分からない。



(4)『サンセット大通り』(50)

古典中の古典。



個人的には、ビリー・ワイルダーの映画は喜劇よりも悲劇のほうが好き。

(5)『蒲田行進曲』(82)

日本代表は、やっぱりこれ。

劇が解体されるエンディングに、ガキの自分はたいへん驚いた。



(6)『バートン・フィンク』(91)

母国では評価されず、主に日本やヨーロッパで大人気だったころのコーエン兄弟が、クールにハリウッドを見つめる。

もし、いまセルフリメイクしたとしたら、ちょっとちがう肌触りになるのかもしれない。

(7)『映画に愛をこめて アメリカの夜』(73)

映画を完成させようと孤軍奮闘する映画監督と、様々な問題を抱えた俳優やスタッフたち。



天才トリュフォーの映画愛が炸裂した、それでいて誰が観ても楽しめる群像劇。

(8)『リビング・イン・オブリビオン 悪夢の撮影日誌』(94)

インディーズの制作現場で起こる悲喜こもごも。

いちどでも自主制作を経験したことのあるひとなら、彼らを抱きしめたくなるはず。

(9)『エド・ウッド』(94)

実在した映画監督をモデルとした映画のなかで、最も出来がよいと思われる伝記映画。



エドの晩年はたいへん悲惨なものであったが、そこを描かずに幕を閉じるところが(やさしい)ティム・バートンらしい。

(10)『女優霊』(96)

10本のなかで唯一のジャンル物、しかも? ホラー映画。

スタジオで起こる怪現象というのは、とてもリアルで、しかも見せかたがひじょうに巧く、とても怖かった。

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明日のコラムは・・・

『カメラは生きている ~スコセッシ新作まもなく公開記念~』
コメント (1)
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