Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(303)

2019-09-20 00:10:00 | コラム
まん「と」→「と」うきょう(東京)

東京を歌った名曲はいっぱいあって。

自分の世代では長渕の『とんぼ』であったり、

♪ 滲んだ文字、東京行き ♪ のくだりが泣かせる中島みゆきの『ファイト!』であったりするのだけれども、

いちばん響いたのは、これかな。




漫画でいえば、業田良家の『自虐の詩』。

父親が事件を起こしてしまった女子高生の主人公に、友人は「東京に行きな」とアドバイスする。

「あんたみたいなひとが、住む街」であると。


勝手に思っていることだけれども。

自分の世代が「ぎりぎり」なんじゃないかな、東京に対し幻想を抱いているのって。

行けばなんとかなる・なんとかしてくれる場所、それが東京であると。


いまの若い子には、それが通用しない。

東京に行っても、なんとかならないものはなんとかならない―ということを知っている。

幻想はなくなり、大学進学のためにいちどは東京に出てくるけれど、卒業したら地元に戻っていく、、、みたいな。

だから地方都市を舞台とした映画が沢山創られるようになった。

東京を舞台とした映画も(依然として)創られるけれども、かつて「たしかにあった特別感。」はなくなった。

良いか悪いかではなくてね、それが日本の変化であると。


以下、東京を描いた代表的な日本映画3傑。


『東京物語』(53)

切なくて、美しくて、ときどきドキッとして。

歳を取るごとに、好きになっていく映画。




『TOKYO FIST』(95)

無機質な都市で無機質な日常を送っていると、肉体を痛めつけることでしか生の実感を得られなくなる。




『男はつらいよ』シリーズ(69~)

本年末に復活。

熱心なファンというわけではないが、それでも東京の映画というと、これを外すわけにはいかない! と思う。




あすのしりとりは・・・
とうきょ「う」→「う」ちゅう。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(304)』
コメント
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