Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

気負う。

2019-09-12 00:10:00 | コラム
ここ数日で鑑賞した日本映画の新作が「3本ともダメだった」という悲惨な状況、

しかしそう思ったのは自分だけであるし、うち1本は確実にヒットするであろうし、自分ごときがアレヤコレヤいっても動員数に影響があるわけないので、きょうはそれについて取り上げてみよう。


『イソップの思うツボ』…『カメラを止めるな!』(2018)で「ときのひと」となった上田慎一郎の新作。



『カメ止め』でさえ危ういところは多々あったのよ、
けれどもそれ以上に「映画・映画制作に対する愛」が勝っていたから、映画として成り立っていたんだと思う。

映画は、「ものがたり」ではなく「ひとがたり」。
そう捉えているものにとって、「どんでん返し」ありきの構成や、ひねりを加えた語り口は「場合によっては邪魔でしかない」。

上田さん、まちがいなく気負っていたんじゃないか。


『記憶にございません!』…三谷幸喜の最新作、13日公開。

好きなひと多いからね、言及を避けて無視することも出来るのだが、敢えていうと映画好きとして目障りな存在なので苦笑

何遍かいっているけど、テレビ・舞台の三谷さんに関してどうこういうつもりはなし、巧いなぁと感心することも多い。

しかし映画はペケ、
自分でもいっているけど、映画が好き過ぎるんだと思う、ビリー・ワイルダーやヒッチコックが好き過ぎて、同じことをやろうとしているのは分かるんだけど、映画監督としては下手。

もし、映画とテレビドラマのちがいが分からない。画面のサイズのちがいだけじゃね? なんていうひとが居れば、ワイルダーの映画のあとに、三谷さんの作品を観てみればいいんですよ。

新作でいえば、『デーヴ』(93)のほうがはるかに上手で映画的だから、自分はそっちを推しますね。




『人間失格 太宰治と3人の女たち』…蜷川実花の最新作、13日公開。

小栗くんに太宰を演じさせ、ポップでけばけばしい演出であの時代を描く―という蜷川さんの狙いは外れてはいないと思うよ、
女優陣―宮沢りえ、二階堂ふみ、沢尻エリカ―も悪くないし、スカパラの曲もいい。

けれども中身はスカスカ、ゴテゴテした装飾なのに、なーーーーんも描いていない。

刺激的な映像の積み重ねが映画だと思っているのであれば、中島哲也の映画を観て勉強したほうがいいのではないでしょうかね。



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明日のコラムは・・・

『映画監督別10傑(59)ウィリアム・ワイラー』
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