~イングリッド・バーグマンのキャリア10傑~
「―人々は私にジャンヌ・ダルクを重ね合わせ、聖女のような人物だと思っています。そうではないのです。私はただの女、普通の人間なのです」
東出くんも唐田ちゃんも、そして杏樹さんも同じことをいいたいのかもしれない。
世代的にイングリッド・バーグマンのリアルタイムを知らぬ自分なんかは、その娘でリンチ映画で退廃的な魅力を放ったイザベラ・ロッセリーニについてのほうが詳しくて、
バーグマンが世界的な批判を浴びながらも映画監督ロベルト・ロッセリーニと不倫の愛を貫き、そうしてイザベラが誕生した―正直にいってバーグマンの作品どうこうではなく、私生活についてのほうに「より」興味を抱いていたっていうね、
えぇそうですよゲスですよ、不倫やっている当事者より、有名人の下半身事情に興味を抱く大衆のほうがゲスですよ。
そしてそれは、20世紀でも今世紀でも変わらないっていう。
「他人の家のことなんか」と正論っぽいことを吐く常識人が擁護にまわる展開とかも、まるで一緒。
だから100年後もきっと、同じようなことが起こるでしょう。
(1)『白い恐怖』(45)
「白地に縞のある模様」を見ると発作を起こす主人公の、トラウマをめぐるサスペンスを監督したのはヒッチコック。
共演に、めっちゃ痩せているころのグレゴリー・ペック。
幻想シーンを、サルバドール・ダリが担当していることでも知られる。
(2)『誰が為に鐘は鳴る』(43)
「キスをするとき、鼻はどうするの?」で有名な戦争と恋愛の物語。
原作は、もちろんヘミングウェイ。
個人的にバーグマン映画との初顔合わせであり、この映画を観た直後に読んだ原作小説も「初」ヘミングウェイであった。
(3)『ガス燈』(44)
人気戯曲の2度目の映画化、この演技でバーグマンはオスカー主演賞を受賞。
バーグマンのキャリアで、最も彼女を美しく捉えていると思う。
(4)『オリエント急行殺人事件』(74)
アガサ・クリスティの代表作をオールスターキャストで映画化。
バーグマンどうこうではなく、オチに衝撃を受けた中学生時代だったなぁ!!
(5)『汚名』(46)
ヒッチコックの名人芸が冴えわたるサスペンス。
撮影当時はキスシーン(の長さ)に制約があり、しかしヒッチはそれを逆手に取って「短いキスの積み重ね」を描き、結果的に長~~いキスシーンにしているところはさすが。
(6)『カサブランカ』(42)
なぜ、こんなに下? という意見も聞かれようが、そりゃあ個人的には、あんまり好きになれない作品なので。
国歌を歌い合うシーンは好きだが。
(7)『ジャンヌ・ダーク』(48)
いろんな女優さんがタイトルロールを演じているが、いちばんはバーグマンかフロランス・ドゥレだと思う。
(8)『ジキル博士とハイド氏』(41)
筑紫哲也曰く「映画としては優れているほうではないのだけど、世界にはこんなに美しいひとが居るのかと見惚れて、腹はすくけれども、1日中、映画館に居た記憶がある」。
うん、この感覚は大事だし、実際、映画としては…という点もあり。
(9)『凱旋門』(48)
レマルク原作の『西部戦線異状なし』でオスカーを取ったルイス・マイルストンが、再びレマルクの原作を映画化。
自分は中学生のころに観て楽しめたが、一般的な評価はけっして高くない…というか低い。
たとえば、オールシネマオンラインは、以下のように書いている。
これ読んだあとに観れば、ハードル下げたぶん逆に楽しめるかな~。
「レマルク原作のふやけたメロドラマ。ただでさえ嘘臭い話を、決して上手い役者ではないボワイエとバーグマンが芝居気たっぷりに演じるので、誉めように困ってしまう。粗筋を書くのもバカらしい大時代がかった話だが……。」
(10)『追想』(56)
アナスタシア生存説に材を取った、ユル・ブリンナー共演も新鮮な歴史ミステリー。
しかしこのひとはなぜか、自殺を図るキャラクターを演じることが多い女優さんだったなぁ!!
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『夜景にあこがれて』
「―人々は私にジャンヌ・ダルクを重ね合わせ、聖女のような人物だと思っています。そうではないのです。私はただの女、普通の人間なのです」
東出くんも唐田ちゃんも、そして杏樹さんも同じことをいいたいのかもしれない。
世代的にイングリッド・バーグマンのリアルタイムを知らぬ自分なんかは、その娘でリンチ映画で退廃的な魅力を放ったイザベラ・ロッセリーニについてのほうが詳しくて、
バーグマンが世界的な批判を浴びながらも映画監督ロベルト・ロッセリーニと不倫の愛を貫き、そうしてイザベラが誕生した―正直にいってバーグマンの作品どうこうではなく、私生活についてのほうに「より」興味を抱いていたっていうね、
えぇそうですよゲスですよ、不倫やっている当事者より、有名人の下半身事情に興味を抱く大衆のほうがゲスですよ。
そしてそれは、20世紀でも今世紀でも変わらないっていう。
「他人の家のことなんか」と正論っぽいことを吐く常識人が擁護にまわる展開とかも、まるで一緒。
だから100年後もきっと、同じようなことが起こるでしょう。
(1)『白い恐怖』(45)
「白地に縞のある模様」を見ると発作を起こす主人公の、トラウマをめぐるサスペンスを監督したのはヒッチコック。
共演に、めっちゃ痩せているころのグレゴリー・ペック。
幻想シーンを、サルバドール・ダリが担当していることでも知られる。
(2)『誰が為に鐘は鳴る』(43)
「キスをするとき、鼻はどうするの?」で有名な戦争と恋愛の物語。
原作は、もちろんヘミングウェイ。
個人的にバーグマン映画との初顔合わせであり、この映画を観た直後に読んだ原作小説も「初」ヘミングウェイであった。
(3)『ガス燈』(44)
人気戯曲の2度目の映画化、この演技でバーグマンはオスカー主演賞を受賞。
バーグマンのキャリアで、最も彼女を美しく捉えていると思う。
(4)『オリエント急行殺人事件』(74)
アガサ・クリスティの代表作をオールスターキャストで映画化。
バーグマンどうこうではなく、オチに衝撃を受けた中学生時代だったなぁ!!
(5)『汚名』(46)
ヒッチコックの名人芸が冴えわたるサスペンス。
撮影当時はキスシーン(の長さ)に制約があり、しかしヒッチはそれを逆手に取って「短いキスの積み重ね」を描き、結果的に長~~いキスシーンにしているところはさすが。
(6)『カサブランカ』(42)
なぜ、こんなに下? という意見も聞かれようが、そりゃあ個人的には、あんまり好きになれない作品なので。
国歌を歌い合うシーンは好きだが。
(7)『ジャンヌ・ダーク』(48)
いろんな女優さんがタイトルロールを演じているが、いちばんはバーグマンかフロランス・ドゥレだと思う。
(8)『ジキル博士とハイド氏』(41)
筑紫哲也曰く「映画としては優れているほうではないのだけど、世界にはこんなに美しいひとが居るのかと見惚れて、腹はすくけれども、1日中、映画館に居た記憶がある」。
うん、この感覚は大事だし、実際、映画としては…という点もあり。
(9)『凱旋門』(48)
レマルク原作の『西部戦線異状なし』でオスカーを取ったルイス・マイルストンが、再びレマルクの原作を映画化。
自分は中学生のころに観て楽しめたが、一般的な評価はけっして高くない…というか低い。
たとえば、オールシネマオンラインは、以下のように書いている。
これ読んだあとに観れば、ハードル下げたぶん逆に楽しめるかな~。
「レマルク原作のふやけたメロドラマ。ただでさえ嘘臭い話を、決して上手い役者ではないボワイエとバーグマンが芝居気たっぷりに演じるので、誉めように困ってしまう。粗筋を書くのもバカらしい大時代がかった話だが……。」
(10)『追想』(56)
アナスタシア生存説に材を取った、ユル・ブリンナー共演も新鮮な歴史ミステリー。
しかしこのひとはなぜか、自殺を図るキャラクターを演じることが多い女優さんだったなぁ!!
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『夜景にあこがれて』