しん「ぶん」→「ぶん」げい
非オリジナル作品、
つまり「原作小説あり」の映画を、文芸映画と呼ぶ。
「文芸」の硬い? イメージゆえか、古典小説の映画化以外のものを文芸映画と呼ぶことにためらい、、、みたいなものを感じてしまうこともあるけれど、
原作小説があれば、ぜ~~~~~~んぶ文芸映画と呼んでいいのです。
映画と相性がいい作家、そうでない作家というものは、まちがいなく存在して。
相性がいいのはシェイクスピア、清張、キングでしょう。
後者の代表は、たとえば漱石とか。
というわけで。
原作超えを果たしたと思われる、
あるいは、
原作と拮抗したと評価出来る文芸映画の10選を。
『炎上』(58)
三島由紀夫の名作『金閣寺』を市川崑が映画化、
市川雷蔵はもちろん、友人役の仲代も最高だった。
注文をつけるとするならば、カラーで観たかった。
『砂の器』(74)
原作は清張モノとしては弱い、、、というのは、識者がよく言及すること。
映画が成功したのは、原作では数行に満たぬ遍路シーンを日本縦断ロケーションで映像化したことによる。
映画化に奔走した橋本忍の努力が、完璧な形で報われた。
『赤ひげ』(65)
山本周五郎の原作を黒澤が美しいモノクロームで映画化。
三船との最後のタッグ作としても忘れ難い。
『風と共に去りぬ』(36)
マーガレット・ミッチェルの名著を総天然色! 222分! をかけて映画化。
小津さんの敗北感がエグいほどだったこと、想像に難くない。
『ノーカントリー』(2007)
コーマック・マッカーシーの『血と暴力の国』をコーエン兄弟が映画化、
いつものユーモア描写は控え目、厭世観に支配された映像がすごい。
『ジャッキー・ブラウン』(97)
エルモア・レナードの『ラム・パンチ』を、自身が少年時代にオナペットとしていたパム・グリアを起用して映画化したQT、あんた最高だぜ!!
『キャリー』(76)
キングの処女作をデ・パルマが映画化、
シシー・スペイセクあってこそ。だとは思うが、キングが認めるのも納得の「原作超え」映画。
『怒り』(2016)
吉田修一の力作をオールスターキャストで映画化。
こういう、重た~い物語がメジャーで撮られることはおおいに意義があると思う。
『ブレードランナー』(82)
フィリップ・K・ディックによる『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を、最高のスタッフワークで映画化。
じつはこの映画化権、最初にゲットのチャンスがあったのはスコセッシだったという!
『すばらしき世界』(2021)
現在公開中。
佐木隆三の『身分帳』を西川美和が映画化、まちがいなく21年度を代表する映画。
次回のしりとりは・・・
ぶんげ「い」→「い」ふ。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『プレッシャーは好きですか。』
非オリジナル作品、
つまり「原作小説あり」の映画を、文芸映画と呼ぶ。
「文芸」の硬い? イメージゆえか、古典小説の映画化以外のものを文芸映画と呼ぶことにためらい、、、みたいなものを感じてしまうこともあるけれど、
原作小説があれば、ぜ~~~~~~んぶ文芸映画と呼んでいいのです。
映画と相性がいい作家、そうでない作家というものは、まちがいなく存在して。
相性がいいのはシェイクスピア、清張、キングでしょう。
後者の代表は、たとえば漱石とか。
というわけで。
原作超えを果たしたと思われる、
あるいは、
原作と拮抗したと評価出来る文芸映画の10選を。
『炎上』(58)
三島由紀夫の名作『金閣寺』を市川崑が映画化、
市川雷蔵はもちろん、友人役の仲代も最高だった。
注文をつけるとするならば、カラーで観たかった。
『砂の器』(74)
原作は清張モノとしては弱い、、、というのは、識者がよく言及すること。
映画が成功したのは、原作では数行に満たぬ遍路シーンを日本縦断ロケーションで映像化したことによる。
映画化に奔走した橋本忍の努力が、完璧な形で報われた。
『赤ひげ』(65)
山本周五郎の原作を黒澤が美しいモノクロームで映画化。
三船との最後のタッグ作としても忘れ難い。
『風と共に去りぬ』(36)
マーガレット・ミッチェルの名著を総天然色! 222分! をかけて映画化。
小津さんの敗北感がエグいほどだったこと、想像に難くない。
『ノーカントリー』(2007)
コーマック・マッカーシーの『血と暴力の国』をコーエン兄弟が映画化、
いつものユーモア描写は控え目、厭世観に支配された映像がすごい。
『ジャッキー・ブラウン』(97)
エルモア・レナードの『ラム・パンチ』を、自身が少年時代にオナペットとしていたパム・グリアを起用して映画化したQT、あんた最高だぜ!!
『キャリー』(76)
キングの処女作をデ・パルマが映画化、
シシー・スペイセクあってこそ。だとは思うが、キングが認めるのも納得の「原作超え」映画。
『怒り』(2016)
吉田修一の力作をオールスターキャストで映画化。
こういう、重た~い物語がメジャーで撮られることはおおいに意義があると思う。
『ブレードランナー』(82)
フィリップ・K・ディックによる『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を、最高のスタッフワークで映画化。
じつはこの映画化権、最初にゲットのチャンスがあったのはスコセッシだったという!
『すばらしき世界』(2021)
現在公開中。
佐木隆三の『身分帳』を西川美和が映画化、まちがいなく21年度を代表する映画。
次回のしりとりは・・・
ぶんげ「い」→「い」ふ。
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明日のコラムは・・・
『プレッシャーは好きですか。』