Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(367)

2021-03-15 00:10:00 | コラム
きーふぁーさざーらん「ど」→「ど」りーさつえい。

デジタル撮影やドローン撮影がメインとなりつつある現代であっても、映画撮影風景といえば、やはりクレーンであり、ドリーであると思う。

クレーンは分かり易いが、






ドリーって?

カメラを水平に移動させるための「台車」のこと。

また、それを用いた撮影方法のこと。

専用のレールの上を、カメラ乗せた台車が動くアレね。

エンドクレジットで「Dolly grip」と表記された人物を確認してみてほしい、彼ら彼女らは、台車を正確に移動出来るスタッフたち。

この手法が多用されるのは・・・

たとえば、人物が歩いているさまを捉えるショット。

Aがひとりで歩いているさまを捉える客観ショットの場合もあれば、AとBふたりが歩いているさまをどちらかの主観ショットで捉える場合もある。

たとえば、立ちすくむAに徐々に近づいていくショット。
その逆に、徐々に離れていくショット。

ズームとちがうの?

レンズの操作のみと、カメラそのものを動かすのとではまるでちがう。

・・・って、マニアみたいなことをいってもね。


では、絵的に面白い動画を。

そういう技術を組み合わせて撮られた「ドリーズームショット」と呼ばれる技法がある。

「めまいショット」といったほうがピンとくるのだろうか、ヒッチコック有名だし。



面白いでしょう、妙でしょう。

大雑把にいえば・・・
カメラをドリーで後方に引き、それと同時に「被写体の画角が変わらぬよう」ズーム調整する技法。

人物の切迫感などを、俳優の演技ではなく映像で表現しちゃおうというね。


映画監督をやりたいなぁと思った瞬間から、これらのオモシロ映像がテキストに変わるわけです。

いわゆる映画学生は、何度も再生し、一時停止し、研究し、絵コンテ再現し、実際に撮ってみる。

カメラが軽量化され、ステディカムと呼ばれる「手持ち撮影」が容易になって以降も、
さらにいえばデジタル化が進みスマホで映画が撮れるようになっても、
さらにさらにいえば、ドローンを飛ばす撮影が可能になった現代でも、
クレーンやドリーが廃れないのは、そこに映画的なロマンがあるから、、、なのではないかしら。





あすのしりとりは・・・
どりーさつえ「い」→「い」しゃ。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(368)』
コメント (1)
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