~ロジャー・ディーキンスのキャリア10傑~
コーエン兄弟やサム・メンデスが全幅の信頼を寄せるディーキンス(72歳)は、現役カメラマンのなかで自分が最も野心的だと思うひと。
なぜこんなに力強く、美しい映像を撮ることが出来るのだろうと作品に触れるたび思う。
「ずっと無冠」でありつづけたテクニシャンは、2017年にやっとオスカーを手にする。
感動するとともに「おせーよ!」と憤りを覚えたが、その2年後に再びオスカーを獲得。
協会が、「なんかすいません!」と謝っているんじゃないかと思っちゃったよ笑
※ディーキンスの世界とは
(1)『クンドゥン』(97)
スコセッシがダライ・ラマ14世の半生を描く。
インド亡命シーンだけでも触れてほしい。
(2)『バートン・フィンク』(91)
コーエン兄弟との初タッグ作。
それまで組んでいたバリー・ソネンフェルドが監督業に進出したため、新たなパートナーを見つけたという流れだが、ここまで完璧な相手が見つかるものだろうか。
(3)『1917 命をかけた伝令』(2019)
全編ワンシーンワンカットで撮った「かのようにみせた」力作。
戦闘機が落下するシーンばかり取り上げられるが、白眉は夜の描写では?
(4)『砂と霧の家』(2003)
やるせない物語がクールな映像によって、やるせなさ二乗。
(5)『007 スカイフォール』(2012)
ほかのボンド映画と、手触りがちがうもんね。
メンデスの演出力もあるが、それよか、映像濃度でしょうよ。
(6)『ショーシャンクの空に』(94)
9割を占める刑務所シーンでの暗さが効いていて、きらきらしたエンディングがさらに引き立つ。
(7)『ビッグ・リボウスキ』(98)
なんだかよく分からない映画なのに、なぜか異様にファンが多いコーエン兄弟監督作。
ディーキンスは肩の力を抜きつつ、最高のテクニックを披露。
(8)『シド・アンド・ナンシー』(86)
シド・ビシャスの半生を描き、ティーンエージャーに愛されつづける音楽映画。
ディーキンスの映像、まだ個性が開花しているとはいい難いけれど、そこがとっても新鮮です。
(9)『バーバー』(2001)
コーエン兄弟がモノクロームに挑戦。
カミュの『異邦人』を彷彿とさせる無感情な主人公には、寒々しいモノクロームが適切だったのでしょう。
(10)『デッドマン・ウォーキング』(95)
ショーン・ペン監督作。
「エセ・ヒューマニズムを演技で胡麻化した」なんてチクリと刺す批評家も居たが、それをいうなら映像の力もそこに貢献してますよ。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『バス男にアオラレる。』
コーエン兄弟やサム・メンデスが全幅の信頼を寄せるディーキンス(72歳)は、現役カメラマンのなかで自分が最も野心的だと思うひと。
なぜこんなに力強く、美しい映像を撮ることが出来るのだろうと作品に触れるたび思う。
「ずっと無冠」でありつづけたテクニシャンは、2017年にやっとオスカーを手にする。
感動するとともに「おせーよ!」と憤りを覚えたが、その2年後に再びオスカーを獲得。
協会が、「なんかすいません!」と謝っているんじゃないかと思っちゃったよ笑
※ディーキンスの世界とは
(1)『クンドゥン』(97)
スコセッシがダライ・ラマ14世の半生を描く。
インド亡命シーンだけでも触れてほしい。
(2)『バートン・フィンク』(91)
コーエン兄弟との初タッグ作。
それまで組んでいたバリー・ソネンフェルドが監督業に進出したため、新たなパートナーを見つけたという流れだが、ここまで完璧な相手が見つかるものだろうか。
(3)『1917 命をかけた伝令』(2019)
全編ワンシーンワンカットで撮った「かのようにみせた」力作。
戦闘機が落下するシーンばかり取り上げられるが、白眉は夜の描写では?
(4)『砂と霧の家』(2003)
やるせない物語がクールな映像によって、やるせなさ二乗。
(5)『007 スカイフォール』(2012)
ほかのボンド映画と、手触りがちがうもんね。
メンデスの演出力もあるが、それよか、映像濃度でしょうよ。
(6)『ショーシャンクの空に』(94)
9割を占める刑務所シーンでの暗さが効いていて、きらきらしたエンディングがさらに引き立つ。
(7)『ビッグ・リボウスキ』(98)
なんだかよく分からない映画なのに、なぜか異様にファンが多いコーエン兄弟監督作。
ディーキンスは肩の力を抜きつつ、最高のテクニックを披露。
(8)『シド・アンド・ナンシー』(86)
シド・ビシャスの半生を描き、ティーンエージャーに愛されつづける音楽映画。
ディーキンスの映像、まだ個性が開花しているとはいい難いけれど、そこがとっても新鮮です。
(9)『バーバー』(2001)
コーエン兄弟がモノクロームに挑戦。
カミュの『異邦人』を彷彿とさせる無感情な主人公には、寒々しいモノクロームが適切だったのでしょう。
(10)『デッドマン・ウォーキング』(95)
ショーン・ペン監督作。
「エセ・ヒューマニズムを演技で胡麻化した」なんてチクリと刺す批評家も居たが、それをいうなら映像の力もそこに貢献してますよ。
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明日のコラムは・・・
『バス男にアオラレる。』