Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

「よき」ゴースト

2016-05-21 00:10:00 | コラム
「殺人事件が発生した豪邸」が1111万1100円で落札されたと話題になっている。

落札したひとは、しておいて「どうしたものか…」と悩んでいるのだとか?苦笑



「大島てる」というサイトがあるように、いつの時代だって事故物件は話のネタとしては面白く、多くのひとが食いつくものだろう。

実際に事故物件に住んでいるものからすれば、結局は「気の持ちよう」であるよと。

さらにいえば、背に腹はかえられぬ、というか、すべては金でね。
自分は借金返済を目的として、この部屋に決めたわけで。

だって8畳の2Kで3年間は1万8000円だよ。
いちおう、東京で。

たとえ殺傷事件があったとしても、お祓いさえ済ませれば大丈夫、、、と考えるひとだって居るでしょう。

そんなひとりが自分で、すでにここに12年も居るが、怪奇現象は起こらないし、ゴーストらしき姿を見たこともない。

オメーが見えてないだけなんだ!!
というひとも居るけれど、見えてないんだから無問題っしょ?

もしゴーストが居たとしても、おそらく「よき」ゴーストなのだろうと思う。

だって怖がらせるようなことしないし、年中ちんちん出してシコシコやっているが、それでも出て行かないのだとしたら、なかなか根性が据わっているじゃないかと。


現在は、少し家賃が上がった。

それでも4万円以下だからねぇ、仕事上、もう少し都心のほうが動き易いのだが、この安さに負けて、なかなか動く気が起こらないのでありました。


※入居当日の、我が家…なにかがあったといわれれば、そういう風に見えなくもないけれどね








※新生『ゴーストバスターズ』…観れば「そこそこ」面白いのだろうが、ゴーストのキャラクター造形といったらいいのか、ゴースト(幽霊)というよりクリーチャー(怪物)で、怨念のようなものがまったく感じられないので、どう観ればいいのか分からない、、、というのが本音。

緑色の、ヘンな液体を吐くし。




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明日のコラムは・・・

『相棒は3代目』
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にっぽん男優列伝(326)峰岸徹

2016-05-20 00:10:00 | コラム
43年7月17日生まれ・2008年10月11日死去、享年65歳。
東京出身。

トップ画像は、敢えて、ふざけた感じのにしてみました。
(創り手は、本気だったろうがね!!)

というのも、峰岸徹(みねぎし・とおる)さんを画像検索した場合、そのほとんどに「岡田有希子」の存在が「のしかかって」くるんです。

こんな風に。



「僕はアニキのつもりだったが、彼女にはそれ以上のプラスアルファがあったのかも知れない」


岡田有希子の自死は、たいへんなショックでした。
怖いもの見たさも手伝って、『フライデー』買いましたもん。

峰岸さんが原因―週刊誌はそんな風に報道したものだから、もし現代だったとしたら、バッシングはゲス川谷くんの比じゃなかったと想像出来ます。

当時は自分も「助平男が!」なんて思ったりしましたが、残されたものの痛みのほうが大きかったはず。

自死はいけない―と力強くいえない考えを持つ自分でも、「残されたもののことも、考えようよ」とは思うわけです。


その後も俳優業を粛々とつづけた峰岸さんですが、2008年に肺がんにより死去。

訃報にも「岡田有希子」の名前が散見され、つらかったろうなぁ、、、と。


俳優としては主に「クセのある」悪役を好演。

俳優陣が「みんな、こええ」こういう作品の憎々しいキャラクターで活躍し、名バイプレイヤーとして評価されました。




<経歴>

幼いころに裕次郎に憧れ、俳優を志すようになる。

俳優座養成所(第16期生=同期に太地喜和子など)で演技を学ぶ。

映画俳優デビュー作は、62年の『高校生と女教師・非情の青春』。
このころの芸名は、峰健二でした。

整い過ぎている―ともいえる顔立ちで、赤木圭一郎を彷彿とさせるところもあり、出演作が立て続けに制作されていく。

『ニッポン無責任時代』(62)、『六本木の夜 愛して愛して』(63)、『あの娘に幸福を』(63)、『喜劇駅前女将』(64)、『男嫌い』(64)などなど。

68年、大映と契約。
このときに芸名を峰岸隆之介にあらためる。(峰岸徹と名乗るのは、75年より)

『講道館破門状』(68)、『闇を裂く一発』(68)、『女賭博師十番勝負』(69)、
『忍びの衆』(70)、『皆殺しのスキャット』(70)、『タリラリラン高校生』(71)、『夜の診察室』(71)、『告白的女優論』(71)、『百万人の大合唱』(72)、
国定忠治を演じた『無宿人御子神の丈吉 牙は引き裂いた』(72)と『無宿人御子神の丈吉 川風に過去は流れた』(72)、
『哀愁のサーキット』(72)、『混血児リカ ひとりゆくさすらい旅』(73)、『ザ・ゴキブリ』(73)、『鬼輪番』(74)、『学生やくざ』(74)、『金環蝕』(75)、『動脈列島』(75)、『人間の証明』(77)、『サード』(78)、『赤穂城断絶』(78)、『乱れからくり』(79)。

81年、『ねらわれた学園』で大林宣彦と初タッグを組む。
以来、ほとんどの大林作品に出演するようになり・・・ましたが、本作の「星の魔王子」役は「いろんな意味で」すごいです、とにかく観てください笑

『コールガール』(82)、『遠野物語』(82)、『小説吉田学校』(83)、『廃市』(83)、『天国にいちばん近い島』(84)、『さびしんぼう』(85)、『彼のオートバイ、彼女の島』(86)、『野ゆき山ゆき海べゆき』(86)、『帝都物語』(88)、『異人たちとの夏』(88)、『右曲がりのダンディー』(89)、『北京的西瓜』(89)、『螢』(89)。

89年―『ゴジラVSビオランテ』において、G対策センター一佐の権藤吾郎を熱演する。
このキャラクターを評価するゴジラファンは多く、自分も峰岸さんのキャリアで最高の作品だと思っています。

『彼女が結婚しない理由』(92)、『鬼平犯科帳』(95)、『あした』(95)、
『告別』(2001)、『首領への道』(2003)、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003)、『劇場版 超星艦隊セイザーX 戦え!星の戦士たち』(2005)、『映画 クロサギ』(2008)、『丘を越えて』(2008)、
「死者」役として印象を残した『おくりびと』(2008)、『その日のまえに』(2008)。

2008年上半期、がん闘病が始まる。
しかし肺から腰にまで転移しており、切除することが出来ないと判明。
8月、公に姿を見せたものの、10月11日に死去。

享年65歳、遺作は成龍と共演した『新宿インシデント』(2009)。

最後の撮影が大林組の『その日のまえに』だったそうで、その点は、ひじょうに幸福だったでしょうね。


次回のにっぽん男優列伝は、三橋達也さんから。

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明日のコラムは・・・

『「よき」ゴースト』
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にっぽん男優列伝(325)光石研

2016-05-19 00:10:00 | コラム
61年9月26日生まれ、54歳。
福岡出身。

公式プロフィール

先日のEテレの番組でも妻夫木聡くんがいっていたけれど、

無個性も個性のひとつ、何色にでも染まれる―というのは真理で、自分にとって光石研(みついし・けん)さんも、そんな無個性を個性とする俳優さんのひとりです。

とくに2000年代に入ってからの活躍が目覚しく、「名前は知らないけど、顔はよく知っている」というひとも多いのではないでしょうか。

膨大な出演作のなかで3つ選ぶとすれば・・・

最悪な父親を演じた『ヒミズ』(2012)、
最高の同僚を演じた『EUREKA ユリイカ』(2001)、
「やはり」最悪な父親を演じた『共喰い』(2013)・・・になるでしょうか。

そう、最悪も最高も演じられる、無個性な役者馬鹿なのでした。


※いちばん好きなキャラクターは、主人公・役所広司だけには優しい『EUREKA ユリイカ』、、、だけど、敢えてこちらの予告編を




<経歴>

78年―映画『博多っ子純情』のオーディションを受けて主役に大抜擢、現役の高校生として俳優デビューを飾る。

自分が4歳のころですものね、
でも真に注目され始めたのは、ここ10年・・・いやぁ、「つづけてみないと分からない」ことを実証するかのようなキャリアですね!

80年より、『男はつらいよ』のシリーズに4作ほど出演。

『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』(80)
『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』(80)
『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』(82)
『男はつらいよ 柴又より愛をこめて』(85)

しかし、4作ともそれぞれ別のキャラクターを演じているところが面白いです。

以下、まずは90年代までの出演作をドドドッと。

『セーラー服と機関銃』(81)、『近頃なぜかチャールストン』(81)、『いとしのラハイナ』(83)、『童貞物語』(86)、『キネマの天地』(86)、
『妖怪ハンター ヒルコ』(91)、『就職戦線異状なし』(91)、『FRIED DRAGON FISH』(93)、『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(93)、『Love Letter』(95)、『Helpless』(96)、『スワロウテイル』(96)、『ピーター・グリーナウェイの枕草子』(96)、『うなぎ』(97)、『四月物語』(98)、『シン・レッド・ライン』(98)、『のど自慢』(99)、『シェイディー・グローヴ』(99)、『あつもの』(99)。

岩井俊二からイマヘイ、そしてテレンス・マリックによる外国映画まで。
じつに多彩です。

そしてここからが、オファーの絶えぬ2000年代へ。

あまりにも数が多いので、年度別でまとめました。
(とくに、2006年がすごい!!)

2000年
『オーディション』『ホワイトアウト』『五条霊戦記 GOJOE』『カオス』『独立少年合唱団』『KOROSHI 殺し』

2001年
『EUREKA ユリイカ』『火垂』『エコエコアザラク』『贅沢な骨』『まぶだち』『ハッシュ!』

2002年
『害虫』『KT』

2003年
『BORDER LINE』『海流から遠く離れて』

2004年
『この世の外へ クラブ進駐軍』『ジャンプ』『風音』『ユダ』『レディ・ジョーカー』

2005年
『パッチギ!』『亡国のイージス』『スクラップ・ヘブン』

2006年
『雨の町』『LIMIT OF LOVE 海猿』『陽気なギャングが地球を回す』『colors』『シュガー&スパイス 風味絶佳』『パビリオン山椒魚』『紀子の食卓』『ありがとう』『無花果の顔』『インビジブル・ウェーブ』

2007年
『それでもボクはやってない』『エクステ』『松ヶ根乱射事件』『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』『怪談』『サッド ヴァケイション』『めがね』

2008年
『歓喜の歌』『奈緒子』『Sweet Rain 死神の精度』『パーク アンド ラブホテル』『DIVE!! ダイブ』『フライング☆ラビッツ』『コドモのコドモ』

2008~2009年
『20世紀少年』シリーズ…『20世紀少年 第1章』『20世紀少年 第2章 最後の希望』『20世紀少年 最終章 ぼくらの旗』

2009年
『感染列島』『おっぱいバレー』『カイジ 人生逆転ゲーム』『なくもんか』『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』

2010年
『カケラ』『ヒーローショー』『悪人』『nude』『十三人の刺客』『ヘヴンズ ストーリー』『マザーウォーター』『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』

2011年
『毎日かあさん』『太平洋の奇跡 ―フォックスと呼ばれた男―』『岳―ガク―』『あぜ道のダンディ』『東京オアシス』『カイジ2 人生奪回ゲーム』

2012年
『ヒミズ』『レンタネコ』『LOVE まさお君が行く!』『アウトレイジ ビヨンド』『ニュータウンの青春』

2013年
『恋する歯車』『脳男』『はじまりのみち』『ガッチャマン』『共喰い』

2014年
『家路』『WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~』『闇金ウシジマくん Part2』

2015年
『ジョーカー・ゲーム』『天空の蜂』『恋人たち』


・・・・・なんか、濃過ぎてゲボが出そうですわ笑

はっきりいって、光石さんのキャラクターを思い出せない映画もあります。
「とってもいい演技」と「とっても悪い演技」は覚えているほうなので、後者の記憶がないということは、映画の出来不出来に関係なく、光石さんはいつだって最高! ということなのでしょう。

公開が控えている作品に・・・

『夏美のホタル』(6月公開)、『森山中教習所』(7月公開)、『シン・ゴジラ』(7月公開)、『海賊とよばれた男』(12月公開)・・・が、あります。

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映画小僧が選出する、下半期マストな映画10本

2016-05-18 00:10:00 | コラム
きのう早々と上半期の映画について総括をしてしまったので、きょうは来月~年末までに公開されるであろう新作映画で、映画小僧にとってマストであろう10本をセレクトしてみた。

あくまでも「公開されるであろう」だからね、なんらかの事情により延期されるかもしれません。


では、いくぜ!!


※順不同


『エクス・マキナ』(6月公開)

『ザ・ビーチ』の原作者が、映画監督に初挑戦。
A.I.(人工知能)の美女と、彼女? に翻弄されるヒトを描く。




『沈黙』(全米11月公開)

日本上陸は来年であろうし、いいかげんしつこいが、10ン年待ったスコセッシ念願の企画が、いよいよ登場。


『日本で一番悪い奴ら』(6月公開)

綾野剛が悪徳刑事を大熱演、しているらしい。





『葛城事件』(6月公開…トップ画像)

最低最悪の父親を演じる、三浦友和。


『聲の形』(9月公開)

人気コミックの、アニメーション版。

友人に薦められて読んだが、切なくて参った。




『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(7月公開)

赤狩りで職を失い、別名で『ローマの休日』を書いた脚本家の物語。


『シン・ゴジラ』(7月公開)

うつ病から脱したと思われるアンノ監督が放つ、新生のゴジラ。





『クリーピー 偽りの隣人』(6月公開)

黒沢清、久しぶりの本格派スリラー。




『FAKE』(6月公開)

某・佐村河内さんに、ドキュメンタリーの名手・森達也が肉迫。


『永い言い訳』(10月公開)

オリジナル脚本の映画化しか手がけてこなかった西川美和が、自作小説を自ら映画化。



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どこよりも早い、上半期映画の10傑

2016-05-17 06:42:18 | コラム
自分の仕事の、おおいなる役得は「新作映画を劇場公開前に」鑑賞出来ること。

これに尽きる。

そんなわけで。
上半期終了! というには6週間ほど早いが、すでに6月公開作品も「そこそこ」観てしまっている自分による、上半期の映画10傑を展開してみよう。

鑑賞済みの作品数は、計61本。
これだけ観ていれば10傑も展開出来る、
自分ならではの偏った選出ではあるけれど、なにかの参考になれば―。

まずは、下半期でも破られそうにない「圧倒的な」ワーストから。

『テラフォーマーズ』

なにかもがひどかった。



俳優の熱演が報われないのは、気の毒というほかない。
これは監督の責任でしょう。

それ以上は、いうことなし。


では、10傑の展開です。


(1)『ディストラクション・ベイビーズ』

柳楽優弥、完全復活。

5.21公開・・・のため、多くは語るまい。

ただ、いまのところぶっちぎりのトップ。




(2)『スポットライト 世紀のスクープ』

本年度オスカー受賞作。

王道映画の健在ぶりが、うれしい。

そして来日したレイチェル・マクダアムズに取材出来て、ほんとうにうれしかった。



(3)『オマールの壁』…トップ画像

生まれてから死ぬまで有事、そんな国に暮らす男の青春。

(4)『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』

何度もいうが、イメージで観ないというのはもったない。

(5)『レヴェナント:蘇えりし者』

レオどうこうではなく、映画を別次元へと導こうとする「戦う」クリエイターたちに感動。

(6)『アイアムアヒーロー』

満員の劇場を見て、制作陣でもないのに涙が出てきた。

「日本映画が…」という評したかたは失礼だろう、純然たるゾンビ映画としてレベルが高いのだ。

(7)『ヘイトフルエイト』

今年のオスカーで最も感動的だったのは、作曲賞におけるモリコーネの涙だった。




(8)『ちはやふる ―上の句―』

適度なCGの効果で、かるた競技のスピード感を巧く表現していた。

これが、映像の力。

(9)『ルーム』

誰もが感情移入出来る物語なので、もう少しヒットしてほしかったが。



(10)『キャロル』

徹底的に創りこんだ映像世界のなか「なのに」、女性キャラクターふたりの「生の」感情が浮かび上がってくる不思議。


映画の魔力は深過ぎて、「映画に飽きた」なんて考えられない・・・そう思わせてくれる、上半期の10傑でした。

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明日のコラムは・・・

『映画小僧が選出する、下半期マストな映画10本』
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