Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(420)

2022-06-15 00:10:00 | コラム
まんいんおんれ「い」→「い」んび

淫靡(いんび)
[名・形動]男女の関係、風俗などが乱れていること。また、そのさま。「淫靡な雰囲気」

※デジタル大辞泉より

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にっかつの大先輩、映画監督であり劇画家として著名な石井隆が鬼籍に入った。

数年前から癌を患い、周囲に打ち明けることなく闘病生活を送っていたという。

享年75歳、合掌。

訃報が入った翌々日、わがサイトの閲覧数に異変が起こる。
通常は1600PV前後、しかし7000を超えている。

2018年にアップした「石井隆のキャリア10傑」にアクセスが集中したようで。

あぁ少しは世の役に立っているのかなぁと安心してみたり。

今宵は追悼企画として、当時の10傑を再掲載しよう。


運命のおんな・名美を描きつづけた石井隆の世界観は、たしかに淫靡であったし「昭和感」もすごい、よって観るひとを選びそう…でいて、映画館には単身で来る若い女性も多かったと記憶する。

いたずらにエロスを映す、「男のためのポルノ」ではなかったんだなぁ!と、そんな女性を見て感動したものです。

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(1)『夜がまた来る』(94)

夜と雨、ネオン、そして堕ちていく美女・名美。

石井美学のすべてがつまった最高傑作で名美を演じるのは、夏川結衣だった。



(2)『死んでもいい』(92)

若い男を虜にした人妻が、彼と共謀して旦那を殺そうとする。


19歳のころ、ある先輩に「まだ、まっき~にはこの映画の気持ち、分からないだろうね」といわれ、なんだか知らないがイラついた想い出がある。

しかし、たしかに分からなかった。

分からないことが、とても恥ずかしくて悔しかった。


(3)『GONIN』(95)



きちんとした娯楽作だって撮れることを証明した快作。

ビートたけしの役者人生において、このヒットマン役は最高のものだと思う。

そして名美というキャラクターは出てこないが、フィリピン人ホステス役で「ナミィ」が出てくるのはファンサービスだろう笑


(4)『沙耶のいる透視図』(86)

脚本を担当。

この時代の高樹沙耶を知っている男子たちはきっと、大麻問題が報道されても「なんとなく」彼女の肩を持ったことだろう。

いっぱい脱いでくれているからね、やっぱりそういうものですよ。


(5)『ヌードの夜』(93)



余貴美子が名美を演じる。

村木役を竹中直人が好演、こんなに男前だったのかと驚く。


(6)『天使のはらわた 赤い眩暈』(88)

記念すべき監督デビュー作。

いろいろと穴はあるが、石井美学のあれやこれやはすでに完成されている。


(7)『甘い鞭』(2013)

壇蜜を起用し、SMの世界で生きざるを得なかったヒロインの哀しき性を描く。

それにしても、壇蜜のハダカはキレイ。


(8)『GONINサーガ』(2015)

スマッシュヒット作の「正」続編。

若手男優も悪くなかったが、土屋アンナがいちばんよかった。



(9)『黒の天使 Vol.2』(99)

銃をぶっ放す天海祐希がひたすら格好いい。

晴天から天気雨が降ってくるショットはちょっと、神がかっていて、これだけで映画史に残していいかと。


(10)『フリーズ・ミー』(2000)

殺した男たちを冷凍化することでトラウマを克服していくヒロインを井上晴美が熱演、ユーモラスな味つけもちょうどよくて楽しめる。


次回のしりとりは・・・
いん「び」→「び」りーわいるだー。

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明日のコラムは・・・

『きれぎれ』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(419)

2022-06-14 02:51:04 | コラム
うるとら「まん」→「まん」いんおんれい

映画館における「満員御礼」状態だった記憶を…。

①映写技師バイト(高校3年)時代

い、、、いちどもない( ;∀;)

②映画館チケットもぎりバイト(20~22歳)時代

東映まんがまつり(=ドラゴンボールとか)

まぁ「ミニシアターのはしり」みたいな劇場で、最大120席だからすぐに満員にはなる。

けれども。
けれども!!

実写映画では、いちどもない( ;∀;)

次、観客として。

③ガキのころ

たしか『グレムリン』(84)が「ちょうど満員」だったかと。
これいちどきり。


ほんとうの意味で満員御礼を体験したのは、だから上京後になるんだよね。

④先行オールナイト

一時期、「新作の公開1週間前に特別に上映する」興行が流行った。

『スピード』(94)
『フォレスト・ガンプ』(94)
『ダイハード3』(95)
『ファントム・メナス』(99)
『マトリックス』(99)

の時代であり、どれも新宿プラザ(約1000人収容の劇場)で満員御礼を記録。



⑤ミニシアター

繰り返しになるが・・・座席少ないので満員になり易い。

ケネス・ブラナーの『ハムレット』(96)は242分の大作だが満員で、覚悟を決めて立ち見鑑賞。



つかれた(^^;)

急逝した青山真治の超絶大傑作『EUREKA』(2000)の日本最速上映は「なぜか」多摩の市民映画祭であり、映画小僧たちが始発直後からパルテノン多摩に行列を作った。

⑥舞台あいさつありの公開初日

劇場が埋まるのは、このケースが最も確率高し。

逆に「この回で埋まらないのであれば、その作品は興行的に期待出来ない」ということでしょう。


数日前のコラムにも記したが。
コロナシフトが解かれた現在の映画館で、「曜日や回によっては満員御礼」になっているのは『シン・ウルトラマン』と『トップガン マーヴェリック』。

大健闘といえるのは、『午前十時の映画祭』で『ゴッドファーザー』3部作(72~90)あたりが満員「に、ちかい」状態になっていること。

古典は強いってことかな^^



大島渚「―誰でもね、ガラガラの映画館で映画を観るっていうのはつまらないものですよ」

マナー悪いヤツに当たってしまうと「そうともいい切れないこともある」んだけど(^^;)、劇場で体感する一体感ってやっぱり特別なものだからね。

出来れば若いうちに、この感覚を沢山味わってほしいです!!


あすのしりとりは・・・
まんいんおんれ「い」→「い」んび。

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『シネマしりとり「薀蓄篇」(420)』
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マンホール・プロジェクト、これいかにも日本らしい^^

2022-06-13 00:10:00 | コラム
相模原市にガンダムの「マンホールのふた」が設置されるというニュースに歓喜、

設置されたら翌日にでもスマホ持ってチャリで向かわなきゃ!!と。

そういえば。
町田市にも凝った「マンホールのふた」が設置されていて。

徒歩7分で行ける大きめの公園に、ポケモンの「マンホールのふた」がいくつか。

ポケモンよく知らないけど、とりあえず実物は見てきた。



これで地域活性につながるとしたら…まぁ安いものなんでない?

日本ならではだと思う、この着眼点は^^
アニメーションやゲームという文化のメインストリームと、日常で見落としがちな「マンホールのふた」の幸福な結婚。

いいじゃんいいじゃん、
日本全国の「マンホールのふた」がカラフルになれば、なんかもうそれだけで、ハッピーな国という気がしない??




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日本女優別10傑(7)池脇千鶴

2022-06-12 00:10:00 | コラム
~池脇千鶴のキャリア10傑~

アイドル的なキャリアを築いていくのかなと思っていたら、なかなかに尖った作品を選びつづけ、「やさぐれ系といえば彼女」とまで評されるようになった池脇ちゃん40歳、なんと吉本興業なんだよね。

いろいろと意外、でもこの方向性は間違っていなかった、、、と思わせる10選が完成したかな^^


(1)『そこのみにて光輝く』(2014)

映画化にハズレなし―といわれる佐藤泰志の小説を呉美保が映画化。

つらい物語だが、俳優・池脇ちゃんの現時点における到達点だと思う。



(2)『ジョゼと虎と魚たち』(2003)

この子、ちがうかも…と思わせた最初の映画でしょう。

映画ファン、みんなそんな風に驚いたはず。


(3)『大阪物語』(99)

映画俳優デビュー作。
共演に、沢田研二&田中裕子夫妻、監督は池脇ちゃんを「発掘」した市川準。



(4)『ストロベリーショートケイクス』(2006)

魚喃キリコの漫画を映画化した青春群像劇。
共演の中越典子も中村優子も岩瀬塔子も、みんなよい。


(5)『パーマネント野ばら』(2010)

この映画に関しては、俳優どうこうではなく、作劇がすごいと思うので選出。

とにかく観てください。



(6)『凶悪』(2013)

山田孝之やピエール瀧、リリー・フランキーらが熱演する問題作だが、観終えて最も印象に残るのは池脇ちゃんだった、、、という自分みたいなひと、多いのではないかしら。



(7)『舟を編む』(2013)

オダギリジョーの交際相手を好演。
原作とはややちがう設定で出番も少なめだが、きちんと存在感を放っているのはさすが。


(8)『万引き家族』(2018)

後半、刑事として登場。
家族を突き放すようなキャラクターで、三面記事だけに触れ、茶化すだけに終わる「一般の目」の代役をしている。


(9)『きみはいい子』(2015)

育児放棄を「する側」の視点で描いた、勇気ある佳作。



(10)『スイートリトルライズ』(2010)

主演は中谷美紀と大森南朋。
池脇ちゃんは、大森が好意を抱く旧友を演じた。

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やっぱり、『ミスト』じゃないよね(^^;)

2022-06-11 00:10:00 | コラム
とーちゃんの誕生日が近いので、Amazonでとーちゃん好みのDVDを選ぶ。

とーちゃんの好きな映画。
黒澤でいえば『蜘蛛巣城』(57)、
いっぽうで王道の『E.T.』(82)も好きで。
あと『ショーシャンクの空に』(94)。

以前、デ・パルマの『キャリー』(76)を薦めたら「すべてが狂ってる。父さんには分からない世界だ」と否定された(^^;)

『ショーシャンク』関連、、、ということで一瞬『ミスト』(2007=フランク・ダラボン監督×スティーブン・キング原作)をクリックしようと思ったが、
この映画は「鬱になる映画リスト」のトップに君臨しているわけでね、『キャリー』と同じ轍は踏むまい^^



というわけで、ドゴール暗殺計画にヒントを得た名作『ジャッカルの日』(73)と、


近作の『フォードVSフェラーリ』(2019)にした。

うん、よいチョイスかな。



わが好みを押し通そうとする30代までとちがい、自分も成長したということでしょう。

楽しんでくれるといいな^^


※こちらはリ・イマジネーションの『ザ・ジャッカル』…イントロはなんと、トマトロンドンが手がけている


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明日のコラムは・・・

『日本女優別10傑(7)池脇千鶴』
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