NEST OF BLUESMANIA

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音盤日誌「一日一枚」#20 J・J・ケール「THE VERY BEST OF J.J.CALE」(Polygram/Mercury)

2021-12-01 05:00:00 | Weblog

2001年3月3日(月)



J・J・ケール「THE VERY BEST OF J.J.CALE」(Polygram/Mercury)

実に「シブーい」一枚をゲットしてしまった。

「今年買ったシブいCD」のベスト1にはやくも当選確実、というくらいシブい。

エリック・クラプトンが「コケイン」「アフター・ミッドナイト」をカバーしたことで、一躍その名を知られるようになったシンガー・ソングライター、J・J・ケールのベスト盤である。

よれよれのダンガリー・シャツを着た、しらが交じりのヒゲ面。ジャケットのJ・J・ケールの写真からして、まことにシブい。

いうまでもなく音のほうも、負けじとシブい。

基本はカントリー調の鼻歌ボーカルなのだが、いわゆるC&Wの臭みはない。

彼の昔のアルバム「ナチュラリー」のタイトルのごとく、リキむことなくあくまでも自然体の歌いぶりだ。

そのメロディも、ちょっと聴いたところでは無雑作につくられているようでいて、聴き込むほどに深い味わいが出てくるようなものが多い。

さまざまなアーティストがこぞって歌いたがるのも、納得である。

「コケイン」「アフター・ミッドナイト」はいうまでもなく、ヒット曲「クレイジー・ママ」、それにホセ・フェリシアーノがカバーした「マグノリア」も収録されている。

ブルース風味の一番濃いのは、唯一未発表の「ミッドナイト・イン・メンフィス」。

これが実にいい感じ。タイトル通り、ホーンも加えてメンフィス・ソウル風のインストに仕上がっている。

全編、いぶし銀を思わせるレイド・バックしたサウンドに、ひなびた歌声。

彼のギターソロもおさえめで、これまたシブいのひとこと。

これみよがしの刺激的な音はひとつも入ってないが、心やすらぐ一枚だ。

違いのわかる貴方に、ぜひお薦めしたい。