NEST OF BLUESMANIA

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音盤日誌「一日一枚」#23 ポール・バターフィールズ・ベター・デイズ「ライヴ・アット・ウィンターランド」(ビクターエンタテインメント)

2021-12-04 05:03:00 | Weblog

2001年3月11日(日)




ポール・バターフィールズ・ベター・デイズ「ライヴ・アット・ウィンターランド」(ビクターエンタテインメント)

以前、スタジオ録音の「イット・オール・カムズ・バック」を紹介したが、その後、日本限定発売のライヴ盤が出ていることを知り、さっそくゲットしたのがこれだ。

1973年2月23日、サン・フランシスコはウィンターランド・ボールルームでのライヴ。

とにかく、メンバー6人のリズム感の良さ、演奏力の凄さに、1曲目「COUNTRYSIDE」から圧倒されまくりである。

日本人でこれだけの演奏を出来るミュージシャンがいない、とはいわない。

ベター・デイズをよくカバーしているtRICK bAGだって、素晴らしい演奏力を持っている。

だが、これが28年も前のバンドであり、6人ともこれだけの力量を持っているという事実に、アメリカという国の底知れぬ威力を感じてしまう。

演奏されるのはファーストおよびセカンド・アルバムの曲を中心に9曲。

カバー物が多く、ロバート・ジョンスンの「NEW WALKIN' BLUES」やパーシー・メイフィールドの「PLEASE SEND ME SOMEONE TO LOVE」、ニーナ・シモンの「NOBODY'S FAULT BUT MINE」などを演っている。

もちろん、名曲「SMALL TOWN TALK」も収められている。

ロニ―・バロンを中心に、ポール、エイモス・ギャレット、ジェフ・マルダーもボーカルをとっているが、皆なかなか味わいのある歌を聴かせてくれる。演奏同様、歌のほうも実に巧者なのである。

パワーとテクニック、そして細やかな表現力と、すべてを兼ね備えた究極のバンド。

メンバー6人のうち、すでにポールとロニーのふたりが他界してしまったとは実に残念だが、こうやってCDを聴くことで、彼らのガッツ溢れる歌や演奏に、いつでも触れることが出来る。

世紀を超えて、永久に残していきたい一枚。

こんな素晴らしいアルバムが、日本からしか出ていないなんて、本当にもったいない。

BBAやチープ・トリックのライブ盤同様、ぜひ世界中で発売して、その良さを知らしめてほしいものだ。