僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

ケータイ小説「パトスとエロス」⑨

2008年10月15日 | ケータイ小説「パトスと…」
みんなの視線が神山に集まり、それから窓の外の雨に注がれる。それがもう一度神山に戻って来た時、

うつむいたまま神山が動いた。

静かに立ち上がり、教科書とノートを几帳面に揃え椅子を直すと黙って教室を出て行った。


教師があっけにとられる中
辰雄は拍手した。もちろん心の中でだが、手が痛くなるまでした。
みんなも多分同じだったと思う。
そんな空気を察した教師は舌打ちし、神山が静かに閉めたドアを睨みつけながら

「他にはいないのか」

と上ずった声で叫んだ。
皆下を向いて無言だった。

その日授業がどのように終わったか、その後神山がどうなったかは忘れてしまったが、神山の思い切った行動が辰雄の何かに火をともした。それは辰雄のヒーロー像としっくり重なり確固たる何かを心に残した。










(画像のリンク先は不明です)









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