みんなの視線が神山に集まり、それから窓の外の雨に注がれる。それがもう一度神山に戻って来た時、
うつむいたまま神山が動いた。
静かに立ち上がり、教科書とノートを几帳面に揃え椅子を直すと黙って教室を出て行った。
教師があっけにとられる中
辰雄は拍手した。もちろん心の中でだが、手が痛くなるまでした。
みんなも多分同じだったと思う。
そんな空気を察した教師は舌打ちし、神山が静かに閉めたドアを睨みつけながら
「他にはいないのか」
と上ずった声で叫んだ。
皆下を向いて無言だった。
その日授業がどのように終わったか、その後神山がどうなったかは忘れてしまったが、神山の思い切った行動が辰雄の何かに火をともした。それは辰雄のヒーロー像としっくり重なり確固たる何かを心に残した。
(画像のリンク先は不明です)
うつむいたまま神山が動いた。
静かに立ち上がり、教科書とノートを几帳面に揃え椅子を直すと黙って教室を出て行った。
教師があっけにとられる中
辰雄は拍手した。もちろん心の中でだが、手が痛くなるまでした。
みんなも多分同じだったと思う。
そんな空気を察した教師は舌打ちし、神山が静かに閉めたドアを睨みつけながら
「他にはいないのか」
と上ずった声で叫んだ。
皆下を向いて無言だった。
その日授業がどのように終わったか、その後神山がどうなったかは忘れてしまったが、神山の思い切った行動が辰雄の何かに火をともした。それは辰雄のヒーロー像としっくり重なり確固たる何かを心に残した。
(画像のリンク先は不明です)