温かい息が辰雄の耳に柔らかくかかり、体温が感じられるほどにすり寄った留美子の襟元から立ち上ってくる匂いが辰雄を包んだ。
何だかよく分からないがこのまま留美子がずっとそばにいて欲しいと思った。
顔がほてりだしたのが分かった。
慌てて深呼吸したつもりだったがかえって留美子の匂いを胸一杯に吸い込むことになってしまった。
赤くなってしまったかも知れない顔を見られるのが恥ずかしくて横目で留美子を見上げると、にっこり笑い顔を作り言った。
「わたしね、写真持ってるよ。見せたあげよっか」
「え?何の写真?」
「辰雄君持ってないでしょ?」
そう言って2枚の写真を机に並べた。
「どぅ?」
「どぅって?」
「ほら、ここに写ってるでしょう?」
それは一美の写真だった。
1枚は学校行事らしい制服の集合写真、もう1枚は公園でピースサインをする私服のスナップ写真だった。
「それあげる」
「えー!?いいよぅ」
写真を手に取り、返そうとすると、いいからいいからと小さく手を振って留美子は走り去った。
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「え?何の写真?」
「辰雄君持ってないでしょ?」
そう言って2枚の写真を机に並べた。
「どぅ?」
「どぅって?」
「ほら、ここに写ってるでしょう?」
それは一美の写真だった。
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