僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

「パトスとエロス」⑱

2008年11月09日 | ケータイ小説「パトスと…」
留美子が出て行った扉をしばらくの間見つめていた。
手元では一美さんがピースで微笑んでいる。

この状況をどう整理したらよいのだろう。写真を欲しいと思ったことはなかったが、手に入ればそれはそれで嬉しいことに違いないのだが、留美子がそれを持ってきたことを考えると素直に喜べない辰雄だった。


その日以来留美子の辰雄に対する態度が変わった。


冗談を言っては「うっそー!」と背中を叩いたり「ねぇねぇ辰雄君」と言いながら腕をからめたり「みてみて」とノートの隅に描いた先生の似顔絵を見せてくれたり、手のひらをにぎにぎしながら「さよならさよなら」って淀川長治の真似をしたり、そんなことをしなくなった。

留美子が変わってしまったのではなかった。
相変わらず「うっそー!」と大きな声をあげて驚いてみせたし「ねぇねぇ辰雄君」と話しかけてきたし、帰りにはバイバイもした。
でも、背中を叩かなくなった。
腕をからめなくなった。
淀川長治のにぎにぎはしなくなった。

意識したことは一度もなかったのだが、気がつくと留美子は少し遠くに行ってしまったような気がした。
留美子の何気ない仕草が嬉しかったのに。いつもの仕草が好きだったのに。そう気付いた時、

好きだと伝えたいと思った。
















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コットン(綿)の思い出

2008年11月08日 | その辺の木や花です
コットン(綿)ってとっても魅力的な植物です。
だってさ、種をまくと綿になるんだよ。
綿を取った後の種は天ぷら油になるんだよ。
すごいじゃん!




つぼみができた。



柔らかな白い花が咲きました。



翌日花は赤く染まっています。



実がふくらみました。



はじけた。



青い実を開いてみると、湿っています。



枯れてはじけた実は乾いています。



種の一粒一粒から繊維がはえています。



柔らかくふわふわです。



思ったよりずっと沢山収穫できました。



また来年まきましょう。















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「パトスとエロス」⑱

2008年11月08日 | ケータイ小説「パトスと…」
温かい息が辰雄の耳に柔らかくかかり、体温が感じられるほどにすり寄った留美子の襟元から立ち上ってくる匂いが辰雄を包んだ。
何だかよく分からないがこのまま留美子がずっとそばにいて欲しいと思った。

顔がほてりだしたのが分かった。
慌てて深呼吸したつもりだったがかえって留美子の匂いを胸一杯に吸い込むことになってしまった。
赤くなってしまったかも知れない顔を見られるのが恥ずかしくて横目で留美子を見上げると、にっこり笑い顔を作り言った。

「わたしね、写真持ってるよ。見せたあげよっか」
「え?何の写真?」

「辰雄君持ってないでしょ?」
そう言って2枚の写真を机に並べた。

「どぅ?」
「どぅって?」

「ほら、ここに写ってるでしょう?」

それは一美の写真だった。
1枚は学校行事らしい制服の集合写真、もう1枚は公園でピースサインをする私服のスナップ写真だった。

「それあげる」
「えー!?いいよぅ」

写真を手に取り、返そうとすると、いいからいいからと小さく手を振って留美子は走り去った。













忘れてはいけない、シリーズ←クリック
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「パトスとエロス」⑰

2008年11月07日 | ケータイ小説「パトスと…」
昼食後、図書館の返却期日が迫っている事に気付き教室に残って本を読んでいた辰雄の前に留美子が立った。

「た、つ、お、くん」

留美子は意味ありげに微笑んでいる。

「なーに読んでるの?そと行かないの?」
「るせーな、これ今日中に返さなきゃいけないんだよ」

話しかけられたことが嬉しくて乱暴に答えた。

「ピラミッドの謎?ふーん、辰雄君ってそうゆうのに興味あるんだ」
「あぁこれ?面白いんだよ、ナスカとかマチュピチュとかもあってさ、いっぺんに
借りたからこれだけ残っちゃったんだよ」

「ふーん、私ナスカの地上絵なら知ってる、あれすごいんだよね」
「多分宇宙人が地球に来た時描いたんだと思うよ、宇宙船を操縦している壁画もあるんだってね」
「すごいね」

がやがやと昨日のテレビの話題で盛り上がっていたグループが出て行くと3組の教室は辰雄と留美子だけになった。

「あのねっ」


留美子が急に声を潜め辰雄の耳元でささやいた。













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フォーカスまたはフライデー

2008年11月06日 | いろいろな顔たち
あっやべ!

撮られちまった…











そんな時には、葉っぱをこうして
ちちんぷいぷい めひきゆらしのられでんし~

てなへんしんするのらよ。。。













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「パトスとエロス」⑯

2008年11月04日 | ケータイ小説「パトスと…」
清水一美とは一言も話したことはない。
部活の最中転がったボールを拾いに女子のコートに入った時、盛んに声を上げて動き回る姿に胸がキュンとした。
昇降口で友達と楽しそうにおしゃべりをする彼女とすれ違う時、一瞬向けてくれた笑顔がまぶしくて辰雄はすぐに下を向いた。

好きというより憧れの存在だ。

好きというのはもう少し現実的なもので、同学年しかも同じクラス内と相場が決まっている。


辰雄は留美子が自分に好意を持っていることを知っていた。だからよけいにその名前を言えなかった。
長池と辰雄のどっちを取るか留美子に選ばせたら辰雄が選ばれるであろうことはほとんど確信に近かった。
俺は留美ちゃんが好きと周囲に触れ回る長池にそんなこと言える訳ないじゃないか。コレってひょっとして三角関係?いいや、自分が言わなければ三角にはならないんだ。


辰雄は間違いを犯したことに後から気付いた。
留美子に自分の本心は知られなかったが、代わりに辰雄が一美を好きらしいということが伝わったかも知れなかったのだ。
噂とはいえ当然留美子もそれを信じるだろう。その時どうなるのかと考えた時、長池と話したことを本当に後悔した。

でも一美さんも本当に好きなんだからそれでもいいか。

どっちの展開になってもそれが辰雄にとって災難なのかキューピッドが微笑むチャンスなのか分からないのだが、ひとつだけはっきりしていることは、つい言ってしまったあの一言で何かが変わってしまうらしいということなのである。


一週間後、実際それは思ってもみなかった展開でやってきた。






















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「パトスとエロス」⑮

2008年11月03日 | ケータイ小説「パトスと…」
「由香ったらブスだって自分で言ってるくせして藤本君が好きなんだって-、きゃー」
「平野さんなんて告っちゃったらしいわよ、きゃー」
「藤本君って絢香とラブラブなの知らないのかなぁ、きゃー」

他愛のない女子達の騒音の中で、ポケットからベビースターを取りだした長池がボリボリ食いながら話しかけてきた。

「それでさ、辰雄は誰なん」
「俺はべつにいねぇよ」
「んだよ、言えよ」
「お前は留美ちゃんだよな」
「あぁチューしてぇ」
「ばーか」
「それよかお前だよ、早く言えよ」
「めぐみちゃん!」
「テレビとかじゃなくてさぁ3組のやつで」

「一美さんだよ」
「かずみ?誰それ、3組じゃねぇの?」

辰雄は言えなかった。
本当は辰雄も留美子が好きだったのだ。

深夜放送で流れたラブミーテンダーを聴きながらテンダーの意味を知らなかったことに気付いた。辞書を引きプレスリーの太く甘い歌声の意味を知った時、留美子の姿が浮かんだ。
ノートに留美子と書いてあわてて消した。消してもうっすらと後が残っているのが気になって強く擦っているうちにノートがクシャクシャになってしまった。結局そのページは破り小さく堅く丸めて捨てた。

「いっこ上にいるだろバレー部の女子、ほらセッターやってる」
「あぁあぁ分かった、清水一美な。えーーーっ?本当かよ」

「えへへっ、誰にも言うなよ」

辰雄は長池に念押ししたが、多分数日中に皆に知られてしまうだろうことを知っていた。
その時はそれでもいいと思った。長池が公言している留美子を自分も好きなのだとは言いたくなかったし、それを言って留美子に知れてしまうのが恥ずかしかった。









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ん?完成!

2008年11月03日 | 何でも掲示板
やっと出来上がりました。参照(前はこうだったのだ) ← クリック




マラカスになっているので
これでイモダンスを踊ると楽しいです。
♪い~もい~もいも お芋の子…






ニスが乾く間に
折り紙をしました。


こうゆうのを沢山折って組み合わせると







これになります。


折るのは簡単、
組み合わせるのがチトメンドーなり。。。















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「パトスとエロス」⑭

2008年11月02日 | ケータイ小説「パトスと…」
長池は避けたが自分が避けてもあいつは辰雄に向かってくるだろう、そして何か良くないことを仕掛けてくるに違いない、それはそれで仕方ないとして、とにかく我慢すればよい、だが長池に何と言い訳するんだ、あいつは辰雄にとってどんな関係なのか不思議に思うだろう、今あいつの思うとおりの展開でいいのか。

辰雄が長池を見やった時長池も辰雄を見た。怪訝な表情が辰雄に投げかけられた。

下を向いていた辰雄が視線を上げるともうあいつは目前に迫り、歯茎から歯槽膿漏のような腐った臭いがするのではないかと感じるほどニヤついて首を突き出していた。

辰雄の脳裏に鈴木が浮かんだ。
それが消えないうちに神山が浮かんだ。
「辰雄もこんどこそやれよ」
と言っている気がした。


拳を握りしめると思い切り反動をつけて殴った。


パンチは全く無防備だったあいつのみぞおちあたりにくいこみ、拳には肉を殴った時の生温かい感じが残った。
堅かったのか柔らかかったのか分からないが、深々と充分に殴った感覚だけは妙にはっきりとしていた。

あいつは、うううっとうなりその場にうずくまった。
そのまま振り返りもせず歩き去る辰雄に長池が走り寄り
「どうしたの?何あいつ」
と心配顔で尋ねた。辰雄は
「うん」
とひとつうなずき、
「生意気なんだよ」
と返した。

長池は何度も振り返りあいつの様子をうかがっていたが昇降口に入る頃には忘れてしまったようだった。
辰雄は今やったことに充分興奮していたのだが長池には気づかれないように平然を装っていた。


それ以来あいつが辰雄の前に現れることはなかった。
コニーを連れて喜多院を走り回る時も秋田犬の姿はなかった。
















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マイフェアー

2008年11月01日 | その辺の木や花です
スペインでは雨は主に広野に降るのですが、
日本ではどんぐりが主な森林に降りまくっていました。


きれいなのを選んで拾ったのですが、
1時間ほどでこんなに収穫できました。


昨年拾った場所を覚えていたのですが、
今年も同じように拾うことができました。


数日後かなりの確率で穴があくのですが、
中から出てくるゾウムシの幼虫は白くてちょっとうまそうです。











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