まいぱん日記

身近なあれこれ、植物のことなど

市役所の「ドイツボダイジュ」の木

2024年12月04日 | 植物
昨日NEO-FARMERS! さんに基材を買いに行ったついでに市役所のリンデンはどうなっているだろうと確かめにいきました。
説明板が目にはいりました。
 
「ドイツボダイジュ」とは聞きなれない名ですが、ヨーロッパボダイジュまたはセイヨウボダイジュ、つまりセイヨウシナノキのことでしょう。

写真だけ見たら、大きく枝を伸ばしてるとおもうでしょう?
   それなのに・・・・ 
   
 
本来なら高さ30~40メートル、横張り10メートル以上になるはずなのに、
刈り込まれて高さ5,6メートルなのです。
気の毒になってしまいました。 
 

ボダイジュについて以前調べたことがあるので、書いておきます。
読みとばしてください。
 ヨーロッパやロシアの人びとにとってボダイジュは身近かな木です。一方私たちにとってボダイジュは少々複雑です。
お釈迦さまがその木の下で悟りを開いた木、よく寺院に植えられている木、その実で数珠をつくる木、だれもが知っているシューベルトの歌曲で歌われる木。
これらのボダイジュは同じ木?それとも違う木?
違う木だとしたら、なぜ同じ名で呼ばれているのでしょう?

お釈迦さまがその木の下で悟りを開いたとされるのはクワ科イチジク属のインドボダイジュ(学名Ficus religiosa )です。熱帯産のインドボダイジュは仏教が伝来した中国では育たなかったため、葉の形が似ている中国原産のアオイ科シナノキ属のボダイジュ(Tilia miqueliana) がかわりに用いられ、このボダイジュを十二世紀に臨済宗の開祖栄西が中国の天台山から日本に持ち帰り、各地に広まったと伝えられます。寺院によく植えられているボダイジュがこれです。一方同じシナノキ属の日本原産の木にシナノキ(Tilia japonica)があります。
また「菩提樹の数珠」とされているのはインド・東南アジア原産のホルトノキ科ホルトノキ属のジュズボダイジュ、別名ルドラークシャ (Elaeocarpus angustifolius )の実です。

ヨーロッパとロシアの木で今まで日本でボダイジュと呼ばれてきたのは、すべてシナノキ属の木です。
もっとも一般的なのはナツボダイジュ、フユボダイジュ、セイヨウシナノキの三種類です。
ナツボダイジュはヨーロッパ中央部、南部原産。オオバボダイジュともよばれるように葉が大きめで、高さ35~40メートル。世界の温帯(日本では北海道中部以南、ロシアでは中央部)の公園、庭園に植えられています。
二番目のフユ ボダイジュはナツ ボダイジュより寒さに強く、ロシアではもっとも一般的。ロシア中央部に自生しています。葉は比較的小さく、樹高30メートル。
1991年に来日したゴルバチョフ夫妻が迎賓館の庭に植樹されたのがこの木です
三番目のセイヨウ シナノキはナツ ボダイジュとフユ ボダイジュの自然交配種とされ、樹高40メートル近くなります。ヨーロッパではナツ ボダイジュとともに並木道をはじめ、街路樹、公園樹として植えられています。シューベルトの歌曲の菩提樹はこのセイヨウ シナノキとされますが、『世界有用植物事典』(平凡社1989)ではナツボダイジュとしていますね。

「ドイツボダイジュ」は市役所だけでなく八王子の何か所かに植樹されて、
東急スクエア(今は八王子オクトーレ)の南側にもあるそうです。
今までまるで気づきませんでした。市役所のように刈り込まれずに、行くたびに楽しめるといいのですが・・・
 ドイツボダイジュの記念樹の説明 - 八王子の点景 東急スクエアビル

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