◆ヨハネによる福音書◆宮清め(第2章13節~22節)八木誠一訳(1970年)
13: 春になってユダヤ人のエジプト脱出を記念する過越の祭りが近づいたので、イエスもエルサレムにのぼった。祝祭の折には敬虔なユダヤ人はエルサレムに集まるのである。
14: イエスは神殿に赴いた。神殿の前庭には、犠牲として献げるための牛や羊やハトを売る人や、神殿税納入のための金を両替する人が営業していた。
15: イエスはそれを見ると、なわでむちを作って、この人達を羊や牛と一緒に神殿から追い出し、両替え屋の小銭をまき散らし、机をひっくり返して言った。
16:「みんなここから持って出ろ。私の父の家で金儲けをするな」。
17: イエスの、神の家を思う熱心を見た弟子達は、詩編(69:9)の言葉を思い出した。ここには「あなたの家を思う熱心が私を喰いつくす」と記されているのである。
18: ユダヤ人はイエスに言った。
「こんなことをやってのけるとは、一体君はどんな徴で君の権威を証明するのだ」。ユダヤ人の言う徴とは、地上の異常な出来事(奇蹟)それ自信のことである。彼等は、それが神から権威を授かっていることを証明すると考えている。
19: イエスは彼らに答える。
「この神殿をこわしてみたまえ。そうしたら私は三日で再建して見せる」。
20: そこでユダヤ人はイエスに言った。
「この神殿を建てるにはもう四十六年かかっている。それなのに君は三日で再建するというのか」。こうしてユダヤ人はイエスに躓いた。
21: 実はイエスは自分のからだのことを神殿といったのである。これはユダヤ教の神殿祭儀の克服にほかならない。神殿はのちに破壊されたが、イエスは死んで三日で甦った。イエスの言葉は、ユダヤ人の徴の要求を否定しながら、実は高い意味においてその要求をみたすものである。真理は世の要求に対してはいつもこのように振る舞うのである。
22: イエスが死人の中から甦ったとき、弟子たちはイエスが先に言ったことを思い出して、聖書とイエスの言を信じた。イエス・キリストは神殿に象徴されるユダヤ教を克服して、彼自身つまり真理そのものを世にもたらすのである。
<「宮清め」の章 終わり> ・・・
13: 春になってユダヤ人のエジプト脱出を記念する過越の祭りが近づいたので、イエスもエルサレムにのぼった。祝祭の折には敬虔なユダヤ人はエルサレムに集まるのである。
14: イエスは神殿に赴いた。神殿の前庭には、犠牲として献げるための牛や羊やハトを売る人や、神殿税納入のための金を両替する人が営業していた。
15: イエスはそれを見ると、なわでむちを作って、この人達を羊や牛と一緒に神殿から追い出し、両替え屋の小銭をまき散らし、机をひっくり返して言った。
16:「みんなここから持って出ろ。私の父の家で金儲けをするな」。
17: イエスの、神の家を思う熱心を見た弟子達は、詩編(69:9)の言葉を思い出した。ここには「あなたの家を思う熱心が私を喰いつくす」と記されているのである。
18: ユダヤ人はイエスに言った。
「こんなことをやってのけるとは、一体君はどんな徴で君の権威を証明するのだ」。ユダヤ人の言う徴とは、地上の異常な出来事(奇蹟)それ自信のことである。彼等は、それが神から権威を授かっていることを証明すると考えている。
19: イエスは彼らに答える。
「この神殿をこわしてみたまえ。そうしたら私は三日で再建して見せる」。
20: そこでユダヤ人はイエスに言った。
「この神殿を建てるにはもう四十六年かかっている。それなのに君は三日で再建するというのか」。こうしてユダヤ人はイエスに躓いた。
21: 実はイエスは自分のからだのことを神殿といったのである。これはユダヤ教の神殿祭儀の克服にほかならない。神殿はのちに破壊されたが、イエスは死んで三日で甦った。イエスの言葉は、ユダヤ人の徴の要求を否定しながら、実は高い意味においてその要求をみたすものである。真理は世の要求に対してはいつもこのように振る舞うのである。
22: イエスが死人の中から甦ったとき、弟子たちはイエスが先に言ったことを思い出して、聖書とイエスの言を信じた。イエス・キリストは神殿に象徴されるユダヤ教を克服して、彼自身つまり真理そのものを世にもたらすのである。
<「宮清め」の章 終わり> ・・・