スピンオフ銭明日編集長

モットーは"年を重ねる毎に幸せになる"銭明日編集長の日記

ウサギとカメ その2

2016年08月22日 | Weblog
鉄工会社の三代目のガンテツは、40代前半に先代から社長を受け継ぎ、本社工場も故郷江刺の工業団地に新築移転して橋づくりの専門会社として光輝いていた。
自分とは盛岡の得意先の店で30年ぶりで再会した、自ら東北古代史の英雄、阿弖流為(アテルイ)の生まれ変わりと言っていた顔はすぐ分かったが、ガンテツが自分を果たして覚えていたかは今は確める術はない。

我が社は創業から48年仕事の基本姿勢は変わらない、小さな仕事の積み重ね、大会社がやらない隙間産業でサービス業的建設業である、一方ガンテツ会社は公共工事を入札で受注する土木建設業、我が社とは生きるスタイルが真逆であり、良く酒は飲んだが仕事の話をした記憶は薄い。

ガンテツの夢だったのか、40代の終わりに政治家を目指した事がある、学生時代に代議士私設秘書の経験はあるが、地元盛岡での下積みもないのにいきなり県会議員に立候補した、彼は常々口にしていた"出たい人より、出したい人"に当てはまる人物であったのか今も定かではない、結果善戦はしたが次点で敗れた。自分も人生一度だけと思い選対に入り全面的に応援した。
この負け戦のショックは今でも忘れられないし、ガンテツの今後にも影を落とすこととなる。
=つづく=