暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

水無月の茶事 (1)

2011年06月13日 | 茶事
                   (矢指谷戸の一里山湧水に咲く紫陽花)

6月11日は、大雨注意報がでるような凄い雨でした。
それで、朝7時にお客様へメールしました。
 
  はずれてほしい・・・と願っていた天気予報が当たってしまい、
  朝からすごい雨ですね。
  天が「これが水無月じゃわい!」と言っているようです。

  つきましては、
  皆さまの素敵な着物姿を楽しみにしていましたが、
  このような天候なので、どうぞ洋服で気軽にいらしてください。
  それから、お荷物でしょうが、「香合」を一つお持ちくださいませ。
  どうぞ お気をつけていらしてください。
                          
雨の中、全員が着物でいらしてくださり、びっくりしました。
今日の茶事へのお気持ちを感じて、ただ感謝感激です・・・。
私も前日用意していた紋入りの無地(青の江戸小紋)と
水色地に桔梗を刺繍した帯にして良かった!

待合の色紙は、
大好きな映画「グランブルー」(リュック・ベンソン監督)をイメージして
湧き上がってきたフレーズを書家の知人Mさんに書いて頂きました。
三日前に出来上がったばかりです。

                 
               (海があり 水があり 空があり 愛がある)のつもりでしたが
               (海であり 水であり 空であり 愛である)となっています・・ま、いいか。

雨なので玄関先に置いた蹲で手を清め、席入して頂きました。
お正客のHさまは、「茶事へ招きあいましょう」」と話し合ってから
二年が経っていました。
お互いに介護や家庭の事情があり、延び延びになっていたので、
今回、お正客としてお招き出来てウレシイです。

次客は今年はじめ、茶室披きの茶事へお招き頂いたAさまです。
三客は数年前思いでの茶事 正午の茶事へお招き頂いたKさま、
そして、お詰は半東として茶事を手伝ってくださった長野珠己さまです。
外は雨ですが、茶室は茶の湯パワーが全開だったかも・・・です。

床の軸は、足立泰道老師の筆で
「水上青々翠」(すいじょうせいせいたるあおし)。
ご挨拶の後、香盆を持ち出しました。
折据を回して、Aさまに香を炊いて頂きました。
雨音を聞きながら、伽羅の香をみんなで愉しむひと時・・・
私の心も落ち着いたような気がします。

                 
           
                 

懐石をお出ししました。
今回もご近所のIさんが強力な助っ人でした。
蒸し暑かったので、冷たいものは冷たく、温かいものは温かくを心がけ、
最初の膳、特に一文字に気合いを入れてもらっています。
Iさんの提案で、清々しさを演出するための工夫をしてみたり、
二人で料理を楽しみました。
(・・・ですが、写真を撮る余裕は全くありませんでした)
お出しできた献立は次のようなものでした。

  向付    鯛のカルパッチョ(赤と黄パプリカ、胡瓜、レッドオニオン) 山葵
  汁      赤味噌仕立  南瓜  とき辛子
  つぼつぼ  紅白なます  スダチ
  煮物    清まし汁仕立  枝豆とホタテの真蒸 青楓麩 人参 三つ葉 隠元 木の芽
  焼物    銀だら粕漬
  預け鉢   茶筅なす  高野豆腐オランダ煮  絹さや  針生姜
  強肴     白アスパラガス  胡麻マヨネーズ  パセリ
  箸洗い   のし梅
  八寸    合鴨ロース 山葵漬  イチジク天ぷら
  香の物   沢庵  赤カブ浅漬け  瓜
  ワイン   スパークリングロゼ
  酒      立山

      (水無月の茶事(2)へ続く)         のち