暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

京の七夕

2012年08月09日 | 京暮らし 年中行事
立秋が過ぎ、ロマンチックな七夕のシーズンがやってきました。
一昨年昨年に続き、七夕の歌を紹介します。

    天の河 もみぢを橋に渡せばや
       たなばたつめの 秋をしも待つ
                         読人しらず(古今和歌集)

歌の意は、水面に散り敷いた紅葉を橋にして、牽牛が織姫に逢いに
天の河を渡ってくる、紅葉の錦の秋が待たれることよ・・・でしょうか。
七夕の季節は紅葉の季節とずれがありますが、「秋」をそのまま紅葉の季節として
表現した歌です。

七夕のお話で
「牽牛と織女が天の河を渡るとき、カササギの橋はよく知られているけれど、
 七夕は秋の行事なので紅葉の橋もあります」
と伺ったことをこの歌が思い出させてくれました。

               
                  (「京の七夕」・・・堀川会場にて)

今、京都では「京の七夕」というイベントが8月4日~13日まで
鴨川と堀川の二つの会場を中心に行われています。
祇園祭と大文字送り火の間の観光イベントとして新たに始まったようですが、
「七夕の楽しみが増えて嬉しい・・・」と、4日に鴨川会場へ、
5日に友人のK夫妻と誘いあって堀川会場へ出掛けました。

               

4日夕方、鴨川遊歩道を歩くと川風が涼しく吹き渡り、
水遊びをする子供や外人さん、横笛を練習する青年、ジョギングする人など、
思い思いに夕暮の川辺を愉しんでいます。
河原に張り出された川床には、ジョッキ片手に料理と七夕を楽しむ人たちで
溢れていました。

鴨川で昔行われていたという友禅流しが再現されていました。
色鮮やかな京友禅の反物を川水で洗い、糊や染料を流し取るそうですが、
職人さんたちが反物をたぐり寄せては一気に遠くへ放り投げる光景は
始めて見る、鴨川の風物詩です。

日が暮れると、風鈴灯や光の笹飾りがライトアップされて浮かび上がり、
風鈴の音とお香の香りが楽しめます。
なぜか?郡上踊りやら、全国物産展で七夕祭りは大いに盛り上がっていました。
愛媛県人会を探し出して、アツアツのじゃこ天を食べながらぶらぶら・・・。

              
              
              

翌5日の堀川会場へはがんばって着物でお出掛けしました。
K夫妻と京都国際ホテルで待ち合わせ、京料理ほり川にて会食後、
無料公開されている二条城のライトアップを見物しました。
ハイテクを駆使したライトアップのスケールにびっくりし、
刻々と変わる光のファンタジーに魅せられました。

              
              

一方通行の堀川遊歩道を光のオブジェに目を奪われながら北へ進みました。
青い光を放つボールが次々と流れてきて、幻想的な雰囲気を盛り上げ、
小さなせせらぎのアクセントになっていました。

              
              

上を見上げると燦然と輝く天の河。
琴座のベガ(織姫星)、わし座のアルタイル(牽牛星)、白鳥座、
そして流れ星も時折・・・。
刻々と変わる光のショーを写真でお楽しみください。