暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

「モノクロームの可能性」 堂本印象美術館

2013年08月28日 | 美術館・博物館

無事、京都へ戻りました。
27日、久しぶりの京都散策へ出かけ、堂本印象美術館を訪れました。
昨夏の訪問以来、お気に入りの美術館です。

            

            

「モノクロームの可能性」
 -印象の墨絵・東寺小子房襖絵を中心に-
が展示中(~9/29)で、
めったにみれない作品や襖絵が気になっていました。
(・・・それに、わが君がなんと!水墨画を習い始めて1年余、
上達著しく、けっこう嵌まっている様子なのです・・・)

回廊にはほぼ年代別に作品が展示され、堂本印象の作風の変遷を
モノクロームの墨画や墨彩を通してたどることができました。

             

二階展示室には、抽象画4点と並んで障壁画など3点が展示され、
もの静かなモノクロームの世界ですが、ほとばしる情熱、集約されたエネルギー、
自然の営みの中の一瞬の美が表現されて、見ごたえがありました。

抽象画の中で惹きつけられたのが
「無限界」 (1963(昭和38)年制作 紙本墨画
・・・何故かわかりませんが、何度もその前に戻り、佇んでいました。

それから、1938(昭和13)年制作、第1回東丘社展に出品された
「雲収日昇」 (絹本墨彩159×342)。
年譜によると、1934(昭和9)年、画塾東丘社を創立し、主催する
・・・とありました。
東丘社創立当時の気合いが伝わってくる代表作(159×342)で、
雄大な山容に朝陽があたる一瞬をとらえて、今回一番のお気に入りです。
(でも、左下の水鳥はいらないような?)

さらに年譜をたどると、
1975(昭和50)年、第32回東丘社展に「善導大師」を出品、
これが絶筆となり、9月5日死去。
(絶筆の「善導大師」もいつか拝見したいものです)

             
                (庭のオブジェ・・・たぶん仏像だと思う)

堂本印象は昭和初期から障壁画家として活躍していらして、
京都市内(東寺、智積院、法然院、西芳寺など)だけでなく、
高野山根本大塔、大阪カテドラル聖マリア大聖堂、高知市竹林寺、
東京・浅草寺などに多数の障壁画が遺されています。

今回の展示は、東寺小子房襖絵2点
「鷲の間」
「瓜の間」

鷲の鋭い眼光、居丈高に立つ雄姿はモノクロームならではの
迫力です。
一方「瓜」の絵は、夏の陽光を浴びた瓜畑の風景が柔らかく描かれ、
「鷲の間」とは対照的な襖絵です。

             

できるだけ機会を見つけて、全国に散らばる堂本印象の障壁画を訪ねる
行脚ができたら・・・とも思いました。
館の内外を飾る家具やオブジェも印象が手塩にかけて制作した、
ステキな美術館です。


話しは飛びますが、明日(29日)は誕生日です・・・  
ブログ再開と誕生日を祝って乾杯!