横浜美術館 1989年11月3日に開館しました
横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3-4-1)が開館して30周年になるそうです。
大型連休中の或る日、「meet the collection -アートと人と、美術館」展(2019年4月13日~6月23日まで)へ出かけました。
最初に出合ったのは、2階正面の「特集:宮川香山」。
「高浮彫(たかうきぼり)」と呼ばれる、ちょっとたじろぐような特異的な真葛焼の大作が展示されていました。
初代宮川香山 高浮彫桜ニ群鳩大花瓶 明治前期 陶器一対
初代宮川香山と真葛焼
初代宮川香山は明治3年(1870年)、29歳の時に京都から横浜に移り、輸出向けの陶磁器を作る工房・真葛窯を開きました。
香山は「高浮彫(たかうきぼり)」と呼ばれる新しい技法を生み出します。
これは金で表面を盛り上げる薩摩焼の技法を、金のかわりに精密な彫刻を掘り込むことで、薩摩焼の技法に変わる新しい表現方法を確立しました。
明治9年(1876年)、35歳の時に高浮彫で作られた真葛焼はフィラデルフィア万国博覧会に出品されると絶賛を博し、真葛焼と宮川香山の名を世界に知らしめました。
初代宮川香山 高浮彫大鷲雀捕獲花瓶 明治前期 陶器一対
横浜美術館の内部
「あっ!これいいな」「なんとなく気になる絵」「惹きつけられる絵」「不思議な絵」「作品のある空間が作品みたい」「素材が面白い!」などと、自分と語り合いながら写真を記念に撮ってきました。
そんな絵(アート)をいくつかご紹介します。
山村耕花 「謡曲幻想 隅田川・田村」 1930年 紙本着色
(上と下は四曲屏風一双になっています)(能が好きなので能画が気になります)
小倉遊亀 「良夜」 1957年 紙本着色
浅井裕介 「いのちの木」 2019年 土、ペンキ、アクリルレジン、水、板
「いのちの木」の制作中 ホール1階にて
ダナ・ザメチニコヴァ 「小サーカス」 1988年 ガラス
(見ていたら「あっ!これ好きかも・・・」と夢の中のような空間に惹きつけられた作品)
パブロ・ピカソ 「肘掛椅子で眠る女」 1927年 油彩、カンヴァス
(3点並ぶピカソ作品の内のお気に入り・・・平和な微睡がほほえましい一枚)
桂 ゆき 「はだかの王様」 1969年 油彩、小石、紙、板
(まなざしの交差・・・ウン?まなざしのクロスロード?と題したテーマの一枚。
不思議な感覚に捉えられて絵から離れられない。はだかの王様を見詰める多くのまなざし。
王様の落ち着かない挙動が胸をえぐる・・・)
鑑賞風景・・・「作品のある空間が作品みたい」
サルバドール・ダリ 1942年 テンペラ、カンヴァス
ヘレン・ルビンシュタインのための装飾壁画
幻想的風景・・・暁、英雄的正午、夕べ
2階廊下に設置された望遠鏡から作品を覗くと、3つの小さな鉄塔のような物が見える
(作品の見せ方に魅せられる・・・下の写真で作品を探してみてね)
岩崎貴宏 「アウト・オブ・ディスオーダー(夜ノ森線)」 2011年 髪の毛、ホコリ、望遠鏡
(ベネッセハウス・ミュージアムで見た「雑草」(須田悦弘)を思い出した)
他にも紹介したい作品がいっぱいありますが、これにて・・・。
ご自身の目と感性で楽しみながら、「meet the collection -アートと人と、美術館」展でお気に入りを探してみてください。
2019年4月13日~6月23日まで横浜美術館で開催中です。