つづき)
初炭が終わり、懐石になりましたが、懐石は伏傘です。
立礼の茶事ではいつも小梶由香さんがテーマに添った献立を考え、美味しい懐石を作ってくださいます。
今回は半東AYさんが写真を撮ってくださり、一部掲載します。
献立 伏傘懐石 小梶由香作成
飯 ニ杓
汁 茄子 針茗荷 金色(または鉄鍋)でだす、汁2椀分
向付 鯛 月見仕立て 加減土佐醤油
浅草海苔 山葵
椀盛 冬瓜海老そぼろあん 針生姜
焼物 いちぢく田楽
預鉢 きぬかつぎ とり おくら
炊き合わせ
箸洗 葡萄
八寸 たこ柔らか煮 酢ばす
湯斗
香の物 沢庵 胡瓜浅漬け 柴漬け
酒 「熊澤」 茅ヶ崎市香川 熊澤酒造
懐石後に待合へ動座して頂き、そちらで主菓子をお出しし、中立となりました。
主菓子は「西湖(せいこ)」(紫野和久傳成)を冷たくして差し上げました。
(主菓子は西湖(せいこ)をお出ししました)
後座の用意と灯りを半東AYさんと手分けして準備しました。
主菓子をお出しする前に灯篭に灯りを入れ、露地に4つの足元行灯、腰掛待合にも行灯、手燭1つ(手燭交換用)を半東AYさんが用意しました。
中立の間に暁庵は湯相と火相をみたり、床の花をお軸に変えました。床に黒河氏作成の燭台1つ、点茶盤に南蛮人燭台1つ、次客様と三客様の間にペルシャ文燭台(小灯し)を置き、もう1つ手燭を水屋に用意しました。
(後座の床の掛物と燭台(黒河氏作成))
18時30分を過ぎると、もう外は真っ暗です。喚鐘ではなく迎え付けをして、手燭交換して後座の席入りをしていただきました。
後で正客ST氏が「手燭交換は夕去りでは風流の極致ですが、茶事やお茶を全く知らない方があの光景を見たら、きっと黒魔術?・・・と妖しく思うでしょうね」とおっしゃったことが可笑しくも言いえていて、今思い出しています。
・・・でも、その瞬間は蝋燭の火も消えずに(風が強く消えることもしばしばです)、久々に感極まってST氏と手燭交換をしたのでした。
後座では濃茶、後炭を省略して薄茶を差し上げました。 つづく)