2013年8月27日(米国時間で)に米国カリフォルニア州アーバイン市で、日産自動車が人間が運転操作しなくても走る“自動走行車”を公表した話の続きです。以下、思いつくままに、気になることをつづります。
日産自動車が電気自動車「リーフ」ベースの“自動走行車”を米国カリフォルニア州で公表した理由は、米国で発表することで、世界各国の研究機関や研究開発型ベンチャー企業などと共同研究開発を図る“オープンイノベーション”を図りたいとの意志を示したものと感じました。
同時に、カリフォルニア州シリコンバレーに構える米国グーグル社(Google)が進めている“自動走行車”の研究開発も強く意識していると想像しています。グーグル社は2010年から自動走行車(自動運転車)を開発していることを公表しています。同社は無料地図アプリケーションの「Google Maps」などの地図情報技術面では世界の先頭を走っていると考えられています。
自動走行車の場合に、元々向かう場所までの経路の地図情報を利用する要素技術が考えられています。この点で、グーグル社は世界各国の地図情報をかなり蓄えています。
同時に、世界各国の自動車メーカーがおびえているのは、グーグル社が“自動走行車”のOS(基本ソフト)を開発し、世界標準を狙うとのシナリオです。これは現時点では単なるうわさです。
グーグル社は現在のスマートフォンやタブレットなどの携帯情報端末向けのOSとして、Android(アンドロイド)を開発し、2007年11月に公表しました(正確には、アンドロイドOSを開発したベンチャー企業をグーグルが買収し、製品化させました)。このアンドロイドOSは、韓国サムソン電子などの大手スマートフォンメーカーが相次いで採用し、スマートフォンの主力OSの一つになっています。
日本の携帯電話機事業を進めていた大手電機メーカーは、アンドロイドOSを採用したスマートフォンやタブレットなどの携帯情報端末の製品化に乗り遅れ、厳しい事態を招いています。
このアンドロイドOSを巡る事業化の教訓は、日本企業に対してグーグル社との連携を探る動きの深層になっているとの見方がささやかれています。その真偽は分かりません。もし、グーグル社が“自動走行車”のOS(基本ソフト)を開発すると、そのOSに沿った通信機能などの標準規格などを受け入れることになります。
シリコンバレーに構える米国グーグル社は、米国そのものは当然、世界各国の優秀な人材が入社を目指し、その入社試験結果から同社には優れた研究開発・事業化人材が集まり続けています。この結果、先端技術の要素技術の研究開発が多数、続けられていると考えられています。この点が、日本をはじめとする各国の自動車メーカーが想定している仮定の話です。
以下は蛇足です。先進国の各自動車メーカーは1980年代当時から“自動走行車”の要素技術の開発を進めていました。“自動走行車”の実用化は、高速道路に限定すれば、ある程度の時期に可能と考えられています。
1980年代当時から、高速道路に描かれた白線の位置を認識する自動走行技術が研究開発されていました。当時は、コンピューターはたぶんミニコンレベルと大きなものを利用していました。現在は、CPUの性能が大幅に向上し、CPUを中核とするECU(Engine Control Unit)が大幅に性能が向上し、小型化・多機能化しています。このECUとCCD(電荷結合素子)カメラ利用のアラウンド・ビュー・モニターを組み合わせることで、当該自動車の位置や姿勢などの状況を高度に判定し、走行できると考えられています。
高速道路は、原則信号がなく、車線も3車線以下が普通です。周囲の自動車が無茶な車線変更をしない場合は、かなりの精度で自動走行できます。入るインターチェンジと降りるインターチェンジの地図情報をナビゲーションシステムから得ることを前提とすれば、かなりのことが可能です。
問題は、自動走行に設定した時の運転者が、緊張感が無くなり、寝てしまうリスクや、降りるインターチェンジ付近から通常の緊張感に戻れるかどうかは、走行実験して確認する必要があります。人間が一番リスクある存在だからです。一般道での自動走行車の実現は、まだかなり先と考えられています。