2013年9月25日発行の日本経済新聞紙の朝刊一面に掲載された見出し「半導体装置で日米統合 東京エレクトロン 米アプライド」を拝読して、驚きました。
半導体製造装置の国内首位で、世界第三位の東京エレクトロンと、世界首位の米国アプライドマテリアル(Applied Materials)が、9月24日に「2014年後半に経営統合する」と発表したとの記事です。巨額投資が必要な半導体業界も体力勝負に陥り、それが半導体製造装置業界をかなり追い込んでいる結果と感じました。
今回は朝刊の記事としては、一面と9面を併せると、かなり長い記事になっています。
このため、日本経済新聞紙のWeb版の日本経済新聞 電子版では見出し「国境を越えた再編、新段階に 東京エレクと世界首位統合」「東エレク・アライド統合 市場は前向き評価 エッチング相乗効果」などの3本の記事が次々と掲載されました(見出しも時間経過とともに少し修正されています)。
東京エレクトロンとアプライドマテリアルは、三角合併方式という、異例の手の込んだ手法で統合します。持ち株会社をオランダに設立し、この持ち株会社が東京エレクトロンとアプライドマテリアルの両社を事業会社として傘下に置く形にします。
持ち株会社制度について、詳しくないので、素人の疑問になりますが、東京エレクトロンは法人税をどの国に払うのでしょうか。最近の国際企業は、法人税の安い国に本社拠点を置き、法人税などを節税する方針をとり、米国などの先進国では大問題になっています。
東京エレクトロンは国際企業化して生き残りを図ります。“日本企業”ではない存在になりそうです。これからの国際企業は国の枠を超えての存在になります。
両社が統合すると、現在は半導体製造装置の世界シェアが14.4パーセントと世界首位のアライドマテリアルと、シェア11.1パーセントと世界第三位の東京エレクトロンが統合すると、合計25.5パーセントと巨大な企業が出現します。現在、世界シェアが12.8パーセントを持つ、第二位のオランダのASMLを引き離します。
最近は半導体製造装置の開発コストが高騰する一方で、半導体生産の投資額が数1000億円と高額化し、半導体業界は設備投資の高いリスクに苦しんでいます。例えば、日本のDRAMメーカーのエルピーダメモリは赤字に苦しみ、米国のマイクロン・テクノロジー(Micron Technology Inc.)傘下に入って、再建を目指しています。ここでも日米統合が進んでいます。
半導体業界は、微細な回路をどんどん細くするなどの技術課題を克服して生産性を高め、低価格化する“ムーアの法則”を実践してきました。ところが、回路を細くすることが物理的に困難になり始めた結果、半導体製造装置の開発コストが高騰し始めました。同時に、半導体業界は設備投資の高いコストを抑えるために、半導体製造装置の値引き要請を強めているとみられています。
今回の企業統合は、日本経済新聞紙の見出しが伝える「国境を越えた再編、新段階に」という点で注目されます。国内であれば、独占禁止法の対象になると感じます。国際的であれば、どこまで独占が許されるのか、大きな課題です。半導体製造装置の開発を意図的な方向に進めるようであれば、問題です。
とはいっても、今後は“国境を越えた再編”による企業統合が増えていきそうです。国際企業とは何か、どの国の企業なのか、少し古い課題設定ですが「企業は誰のものか」を再び議論し、株主と従業員などの関係者(ステークホルダー)が互いに納得できる存在になるように考え続ける時期に来ています。
半導体製造装置の国内首位で、世界第三位の東京エレクトロンと、世界首位の米国アプライドマテリアル(Applied Materials)が、9月24日に「2014年後半に経営統合する」と発表したとの記事です。巨額投資が必要な半導体業界も体力勝負に陥り、それが半導体製造装置業界をかなり追い込んでいる結果と感じました。
今回は朝刊の記事としては、一面と9面を併せると、かなり長い記事になっています。
このため、日本経済新聞紙のWeb版の日本経済新聞 電子版では見出し「国境を越えた再編、新段階に 東京エレクと世界首位統合」「東エレク・アライド統合 市場は前向き評価 エッチング相乗効果」などの3本の記事が次々と掲載されました(見出しも時間経過とともに少し修正されています)。
東京エレクトロンとアプライドマテリアルは、三角合併方式という、異例の手の込んだ手法で統合します。持ち株会社をオランダに設立し、この持ち株会社が東京エレクトロンとアプライドマテリアルの両社を事業会社として傘下に置く形にします。
持ち株会社制度について、詳しくないので、素人の疑問になりますが、東京エレクトロンは法人税をどの国に払うのでしょうか。最近の国際企業は、法人税の安い国に本社拠点を置き、法人税などを節税する方針をとり、米国などの先進国では大問題になっています。
東京エレクトロンは国際企業化して生き残りを図ります。“日本企業”ではない存在になりそうです。これからの国際企業は国の枠を超えての存在になります。
両社が統合すると、現在は半導体製造装置の世界シェアが14.4パーセントと世界首位のアライドマテリアルと、シェア11.1パーセントと世界第三位の東京エレクトロンが統合すると、合計25.5パーセントと巨大な企業が出現します。現在、世界シェアが12.8パーセントを持つ、第二位のオランダのASMLを引き離します。
最近は半導体製造装置の開発コストが高騰する一方で、半導体生産の投資額が数1000億円と高額化し、半導体業界は設備投資の高いリスクに苦しんでいます。例えば、日本のDRAMメーカーのエルピーダメモリは赤字に苦しみ、米国のマイクロン・テクノロジー(Micron Technology Inc.)傘下に入って、再建を目指しています。ここでも日米統合が進んでいます。
半導体業界は、微細な回路をどんどん細くするなどの技術課題を克服して生産性を高め、低価格化する“ムーアの法則”を実践してきました。ところが、回路を細くすることが物理的に困難になり始めた結果、半導体製造装置の開発コストが高騰し始めました。同時に、半導体業界は設備投資の高いコストを抑えるために、半導体製造装置の値引き要請を強めているとみられています。
今回の企業統合は、日本経済新聞紙の見出しが伝える「国境を越えた再編、新段階に」という点で注目されます。国内であれば、独占禁止法の対象になると感じます。国際的であれば、どこまで独占が許されるのか、大きな課題です。半導体製造装置の開発を意図的な方向に進めるようであれば、問題です。
とはいっても、今後は“国境を越えた再編”による企業統合が増えていきそうです。国際企業とは何か、どの国の企業なのか、少し古い課題設定ですが「企業は誰のものか」を再び議論し、株主と従業員などの関係者(ステークホルダー)が互いに納得できる存在になるように考え続ける時期に来ています。