2015年3月22日に発行された日本経済新聞紙朝刊の中面に掲載された、見出し「脱時間給は能力を引き出すか」を拝読しました。
この解説記事は「日曜に考える」の解説記事の一つです。
日本経済新聞紙のWeb版の日本経済新聞 電子版では「創論 脱時間給は能力を引き出すか」です。

この解説記事は、政策研究大学院大学教授の太田弘子さんと伊藤忠商事前会長の丹羽宇一郎さんの対談です。
この解説記事を読もうとした動機は「賃上げ政府が口出すな」という中身だしが目を引いたからです。
対談の司会者が「安倍晋三首相は、脱時間給の創設に強い意欲を示しました」とテーマを振ると、丹羽さんは「およそ政府がこうやりなさいと言うのは要らんお世話や。自分の会社の労働者をどう評価するのか、賃金を上げるのか、上げないのか。要らんお世話です」といいます。
企業で働く従業員の仕事成果の評価を、その企業の経営者陣と従業員側がきちんと話ができるのかどうかという基本的なことでの日本の実情が浮かび上がります。
大雑把な話を進めると、国際的な事業展開をし、外国人の従業員も雇用している企業では、事実上の脱時間給を既に展開しています。優秀な外国人の方を雇用するには、日本企業の給与体系では給与が安くて来てくれないからです。たとえばIT(情報技術)系やバイオ技術系の企業の幹部社員の雇用では、脱時間給は当たり前です。
今回の対談相手の太田さんは、現実論者です。「労働組合がない企業で働いている人も多い」「新しい日本型雇用システムを議論する時期にきている」と語ります。
丹羽さんも太田さんも、問題は非正規社員の増加が大きな労使関係・雇用の大問題という点では、共通しています。そして丹羽さんは脱時間給を悪用する企業経営者がいる・出てくることを懸念しています。非正規社員を多く雇用する、通称ブラック企業と呼ばれる企業の経営者です。
また大雑把な話を展開すると、非正規社員の増加は日本本来の強みだった仕事の暗黙知を後輩に伝えていくという日本企業の強みを放棄します。
残念ながら最近の大手企業の賃上げ実施は、“官製春闘”の実態であり、企業の経営者と従業員の話し合いを事実上弱めていると感じています。円安による見た目の好景気風のその後が気になります。
この解説記事は「日曜に考える」の解説記事の一つです。
日本経済新聞紙のWeb版の日本経済新聞 電子版では「創論 脱時間給は能力を引き出すか」です。

この解説記事は、政策研究大学院大学教授の太田弘子さんと伊藤忠商事前会長の丹羽宇一郎さんの対談です。
この解説記事を読もうとした動機は「賃上げ政府が口出すな」という中身だしが目を引いたからです。
対談の司会者が「安倍晋三首相は、脱時間給の創設に強い意欲を示しました」とテーマを振ると、丹羽さんは「およそ政府がこうやりなさいと言うのは要らんお世話や。自分の会社の労働者をどう評価するのか、賃金を上げるのか、上げないのか。要らんお世話です」といいます。
企業で働く従業員の仕事成果の評価を、その企業の経営者陣と従業員側がきちんと話ができるのかどうかという基本的なことでの日本の実情が浮かび上がります。
大雑把な話を進めると、国際的な事業展開をし、外国人の従業員も雇用している企業では、事実上の脱時間給を既に展開しています。優秀な外国人の方を雇用するには、日本企業の給与体系では給与が安くて来てくれないからです。たとえばIT(情報技術)系やバイオ技術系の企業の幹部社員の雇用では、脱時間給は当たり前です。
今回の対談相手の太田さんは、現実論者です。「労働組合がない企業で働いている人も多い」「新しい日本型雇用システムを議論する時期にきている」と語ります。
丹羽さんも太田さんも、問題は非正規社員の増加が大きな労使関係・雇用の大問題という点では、共通しています。そして丹羽さんは脱時間給を悪用する企業経営者がいる・出てくることを懸念しています。非正規社員を多く雇用する、通称ブラック企業と呼ばれる企業の経営者です。
また大雑把な話を展開すると、非正規社員の増加は日本本来の強みだった仕事の暗黙知を後輩に伝えていくという日本企業の強みを放棄します。
残念ながら最近の大手企業の賃上げ実施は、“官製春闘”の実態であり、企業の経営者と従業員の話し合いを事実上弱めていると感じています。円安による見た目の好景気風のその後が気になります。