米国の人気ミステリー作家のディーヴァー・ジェフリー(Jeffery Deaver)の単行本「石の猿」(原題はTHE STONE MONKEY)を読み終えました。
この単行本は、約13年前の2003年5月30日に翻訳本として、文藝春秋社から発売されました。書庫の中に眠っていたこの単行本を、今ごろ読んだ結果、たまたま欧州(EU)に押し寄せる不法移民の問題を、米国での不法移民問題から少し感じとりました。
この単行本「石の猿」(原題はTHE STONE MONKEY)の表紙です。
表紙写真の「石の猿」は、あの孫悟空の像で、中国では幸運のお守りだそうです。
この単行本は、中国南東部の福建省の反体制派が政府から弾圧や嫌がらせを受けている家族たちが米国に向かった話です。中国反体制派は、自由の国である米国(中国語表記では、美国)に不法移民として、中国から脱出を図ります。
この不法移民たちを連れて行く“ゴースト”と呼ばれる蛇頭は、不法移民約20人を飛行機でロシア国境を超えさせ、ロシアからフィンランド海岸につれていき、船に乗せます。
この密航船の福州竜丸が米国ニューヨーク州ロングアイランド海岸に近づくと、米国沿岸警備隊に見つかり、追跡を受けます。米国沿岸警備隊の船に追いつかれそうになると、“ゴースト”は福州竜丸を爆弾で破壊し、沈没させます。不法移民約20人の中の10数人は、ゴムボートに乗り移り、海岸を目指します。ゴーストは、不法移民を隠すために、海岸に辿り着いた不法移民を殺し始めます。
ゴムボートに乗ってロングアイランド海岸にたどり着いた不法移民約10数人は、2人がゴーストに射殺されます。不法移民約10数人は、車を盗んでニューヨーク市内に向かいます。ニューヨーク市内には、中国の各州の“秘密結社”の堂(とん)が組織され、渡す金によっては助けてくれるからです。
当時から、中国などからの不法移民は最下層の市民として、助け合う仕組みをつくっていました。米国は2000年代初めでも、不法移民問題がありましたが、事実上は最下層の市民として吸収していました。現在、共和党大統領候補のトランプさんが「メキシコからの不法移民問題」への極端な対応策を挙げて、人気を集めています。当時でも、米国は不法移民問題に悩んでいました。この当時は、欧州(EU)ではあまり話題になっていなかったようです(実際には、ドイツへのトルコからの移民、旧ユーゴスラビア系難民問題などがありましたが・・)。
以下は、単行本「石の猿」のネタばらしです。ゴーストを追う、ニューヨーク市警捜査顧問の科学捜査専門家のリンカーン・ライムのチームは、科学捜査から、ゴーストの真の意図を明らかにします。実は、ゴーストは、中国政府に頼まれ「反体制派を不法移民として、米国に連れて行くとして集め、米国沿岸で殺害する仕事」を引き受けていたのです。
当時の中国は、1989年に起こった天安門事件以来、反体制派の動きが続き、これを政府が気にしていたという背景が、本書の不法移民問題の提起にあるようです。
当時の中国の市民からみれば、米国(美国)は豊かな自由に溢れた国と映っただろうという見方が、本書の執筆動機になっているようです。
話はかなり飛びますが、現在、日本の桜開花を楽しむために、日本を訪れている外国人観光客の方々には、日本の安全・安心を感じて楽しんでいただきたいと思います。平和の良さを味わっていただきたいです。
なお、ディーヴァー・ジェフリーの単行本「石の猿」を読み始めた話は、弊ブログの2016年3月4日編をご覧ください。
この単行本は、約13年前の2003年5月30日に翻訳本として、文藝春秋社から発売されました。書庫の中に眠っていたこの単行本を、今ごろ読んだ結果、たまたま欧州(EU)に押し寄せる不法移民の問題を、米国での不法移民問題から少し感じとりました。
この単行本「石の猿」(原題はTHE STONE MONKEY)の表紙です。
表紙写真の「石の猿」は、あの孫悟空の像で、中国では幸運のお守りだそうです。
この単行本は、中国南東部の福建省の反体制派が政府から弾圧や嫌がらせを受けている家族たちが米国に向かった話です。中国反体制派は、自由の国である米国(中国語表記では、美国)に不法移民として、中国から脱出を図ります。
この不法移民たちを連れて行く“ゴースト”と呼ばれる蛇頭は、不法移民約20人を飛行機でロシア国境を超えさせ、ロシアからフィンランド海岸につれていき、船に乗せます。
この密航船の福州竜丸が米国ニューヨーク州ロングアイランド海岸に近づくと、米国沿岸警備隊に見つかり、追跡を受けます。米国沿岸警備隊の船に追いつかれそうになると、“ゴースト”は福州竜丸を爆弾で破壊し、沈没させます。不法移民約20人の中の10数人は、ゴムボートに乗り移り、海岸を目指します。ゴーストは、不法移民を隠すために、海岸に辿り着いた不法移民を殺し始めます。
ゴムボートに乗ってロングアイランド海岸にたどり着いた不法移民約10数人は、2人がゴーストに射殺されます。不法移民約10数人は、車を盗んでニューヨーク市内に向かいます。ニューヨーク市内には、中国の各州の“秘密結社”の堂(とん)が組織され、渡す金によっては助けてくれるからです。
当時から、中国などからの不法移民は最下層の市民として、助け合う仕組みをつくっていました。米国は2000年代初めでも、不法移民問題がありましたが、事実上は最下層の市民として吸収していました。現在、共和党大統領候補のトランプさんが「メキシコからの不法移民問題」への極端な対応策を挙げて、人気を集めています。当時でも、米国は不法移民問題に悩んでいました。この当時は、欧州(EU)ではあまり話題になっていなかったようです(実際には、ドイツへのトルコからの移民、旧ユーゴスラビア系難民問題などがありましたが・・)。
以下は、単行本「石の猿」のネタばらしです。ゴーストを追う、ニューヨーク市警捜査顧問の科学捜査専門家のリンカーン・ライムのチームは、科学捜査から、ゴーストの真の意図を明らかにします。実は、ゴーストは、中国政府に頼まれ「反体制派を不法移民として、米国に連れて行くとして集め、米国沿岸で殺害する仕事」を引き受けていたのです。
当時の中国は、1989年に起こった天安門事件以来、反体制派の動きが続き、これを政府が気にしていたという背景が、本書の不法移民問題の提起にあるようです。
当時の中国の市民からみれば、米国(美国)は豊かな自由に溢れた国と映っただろうという見方が、本書の執筆動機になっているようです。
話はかなり飛びますが、現在、日本の桜開花を楽しむために、日本を訪れている外国人観光客の方々には、日本の安全・安心を感じて楽しんでいただきたいと思います。平和の良さを味わっていただきたいです。
なお、ディーヴァー・ジェフリーの単行本「石の猿」を読み始めた話は、弊ブログの2016年3月4日編をご覧ください。