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新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

我が国の学校教育の英語も問題点を考える

2018-09-03 13:59:34 | コラム
佳子様の英語のスピーチを聞いて思ったこと:

私が畏れ多くも感じたことは「一つ一つの単語を明瞭に発音され、誰にも聞き取りやすい話し方をされたのは良かった」という点だった。皇太子殿下の英語での話の為さり方に似た点があったかなと思って聞いていた。それはそれで良かったのだが正直に後難を恐れずに言えば、飽くまでも一般論としてだが「我が国の学校教育における英語で私が常日頃から問題だと指摘してきた点が全て出ていたのでは」と思わずにはいられなかったのだった。

それらは先ず“「アクセントがない」、「intonation(=声の抑揚)がない」、「sentence stress(=強調したい点を強く言う)がない」、「pause(=切るべきところで切る)ができていない」、「liaison(=連結音)とr-linking(前の単語の終わりが r だった時に、次の単語の出だした母音だった時に r と繫げて発音する)」が出来ていない”という辺りになるだろう。

但し、Queen’s English では北アメリカの英語のようなリズム感がないと言うか抑揚がないので、平板な流れに聞こえると思っているのだ。実際に佳子様の英語は先頃UKに短期留学してこられたことでもあり、イギリス風の流れになっていたと言えるかも知れないのだ。そのアメリカの英語のリズム感だが、私が1972年からアメリカ人の中に入って仕事をするようになった初期には、何となく体でリズムを取りながら話そうとしていたのだった。この辺りにアメリカとUKの英語の違いの一つがあると思っている。

ここで後難を本気で恐れて言えば、東京基督教大学では佳子様の英語の発音や話し方をお直ししようとはしなかったのかという疑問に行き着いたのだった。私は明瞭に話されていたのは良いことだとは申し上げたが、未だ未だ改善の余地が残されているのではないのかと感じていたのだった。私がこれまでに皇族方の英語を聞いた限りでは皇后様のQueen’s Englishの発音の正確さとウットリとなるほどの美しさには心からなる敬意を表していた。

その皇后様はご自身のお孫さんの英語教育にまでは介入されていなかったのかと思ってしまった。雅子皇太子妃殿下はハーバードやオックスフォードで学ばれたとは伺っているが、未だ嘗て英語で語られた音声がテレビで流されたことがなかったので、残念ながらアメリカかUKか何れのアクセントでお話しになるのかは知らない。

私がここで改めて強調しておきたいことは、アメリカかUKかの何れの英語になろうと、我が国の学校教育では上記の「アクセントがない」以下の各項目をチャンと教えておくべきだという点だ。特にアメリカと限定しても良いだろうが、所謂支配階層の英語では上記の各項目は厳密に守られた英語になっているのであり、そうでないと後難を恐れずに言えば「トランプ大統領の支持層の者どもの英語に成り下がってしまう」のである。

だが、我が国でアメリカでもUKでも本当の意味のごく一握りの支配階層と丁々発止と正確無比で品位のある英語でやり合う機会に出会うだろう人がどれほどいるのかと言いたい人もおられるだろう。それはそうだろうとは思うが、だからと言って最初から低きと安きについてしまえば、車夫馬丁の英語を覚えてどうなるのかとは言えると思う。換言すれば「理想は高く持て」ということだが、もっと卑近な例を挙げれば「トランプ大統領の真似は為さらない方が・・・」となると敢えて言っておこう。

上記を総括すれば「チャンとした何処に出しても(出ても)恥ずかしくない英語(発音を始めとして上記の項目全て)を、中学1年(小学校3年?)から教えておくこと」となるのだが、我が国にそういう英語を教えられる先生方がどれほどおられるかという問題もあるが、私は迂闊に何処の馬の骨かも解らないような native speaker に頼ってしまうことの方が問題が大きいと思っている。

私の長年の持論は「native speaker の方々は英語に関する限り、余程良く日本の外国語教育の実態を承知していれば別だが、我々日本人が如何なることで悩んでいるかは容易には解らないのだ。故に、長年支配階層の外国人の中で仕事をしてこられ、彼らと深く付き合ってきた練達熟練の日本人に教えられるのが良いだろう」なのだが、ここでの問題点は、「ほとんどのそういう経験者の方々は教員免許など取得されていないし教えた経験もなく、恐らくほとんどが定年かリタイヤーするまではビジネスの世界から抜ける訳にはいかない立場にあるということ」ではないだろうか。



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