勝って当然の試合だったが圧勝したことは褒めなければ:
三笘薫が復帰し伊東純也が再起できるという試合だったので、FIFAのランキング18位の我が方が87位の中国を何処まで圧倒するのかに注目していた。69位という大きな開きがあることを充分に立証して勝ったのは、非常に良かったと思う。中国のシュートは2本だったかもしれないし、我が方のボールキープ率は前半で71%と圧倒的だった。特に久保建英が最後まで出ていて、アデイショナル・タイムであってもシュートを決めたのも良かった。
中国代表が未だ発展途上だったこともあり、前半はその未熟さにかき回されたのか、整然たるパス回しが出来ていなかった。その所為か、久保の右からのコーナーキックに示し合わせた遠藤が、フットボールの用語である「リードを付けた」キックを鮮やかにヘディングで決めたのと、堂安の同じく右サイドから左サイドを駆け上がった三苫にリードを付きで斜め前への鮮やかなパスが決まっただけの2点に終わった。だが、彼我の差は歴然で安心して見ていられた。
後半に入ってからは中国に戦意を喪失したかの感が見えたし、我が方も落ち着いて整然とした綺麗なパス回しをするようになった辺りは、練習試合であるかのような余裕すら見えてきていた。左サイドで南野への相手のディフェンスの裏を取った縦パスから綺麗に右隅に決めたのは、18位の技術水準の高さと南野の個人技ほどを楽しませて貰えた。伊東純也のシュートはディフェンスの足に当たって方向が変わって決まったのも良かった。
矢張り、右サイドに左足利きの久保と堂安を置き、左側に三苫がいれば、バランスが取れた攻め方が出来るし、久保と堂安の視野の広さから鮮やかなパス回しが可能になっている布陣だと見た。三苫に対してはマークがきつかったし、ディフェンスの当たり方が粗暴だったので、無理をしていなかったようなのは少し物足りなかった気がして残念だった。6日だったかの先に中近東遠征があるのであれば、7点も取って調整が出来て良かったのではないか。
辛口だと言われている私である以上、一言不満を言っておこう。それは「無理をしないように」という指示でも出ていれば話は別だが、相変わらず69位も格下を相手にしても、暇さえあれば後方にパスを展開し、ディフェンダー(と言うのだそうで)間で延々と横パスの交換をして、アナウンサーに「ビルドアップをし直しています」などと言わせているのは気に入らない消極性としか見えない。だから70%超の保持率になるのではないのか。
怪我で不出場が富安だけで、選ばれた全員が充分に体調も整っているようだし、選手間の意思の疎通にも問題がないようだったから、先を期待しよう。でも、あの相手ではGKの鈴木彩艶にとっては何の訓練にも経験にもならなかったので「ゲームのカン」が薄れたのではなかろうかと、ほんの少し気になった。
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