![]() | 心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす Harvard Business School Press |
クリエーター情報なし | |
ダイヤモンド社 |
chap5 先端複合領域から心脳を読み解く
思考はどこで生まれるのか、その答えは明白に思える。つまり、脳内の神経行動に寄って起こる思考プロセスの中で生まれるのである。168
プライミング効果とは、先行する刺激(プライマー)の処理が後の刺激(ターゲット)の処理を促進または抑制する効果のことを指す。プライミング効果は潜在的(無意識的)な処理によって行われるのが特徴であり、知覚レベル(知覚的プライミング効果)や意味レベル(意味的プライミング効果)で起こる。前者の処理は刺激の知覚様式(モダリティ)の違いによって、それぞれのモダリティに特異的な大脳皮質によって媒介される一方、後者の処理は側頭連合野などの意味処理に関連する大脳皮質によって媒介される。(wikipedeiaより)
消費者がブランドにどう反応するかは、その時の消費者の気分にも大きく影響される。147
観察調査法を用いてみると、実は商品が置いてある場所にはわずか5秒ほどしか立ち止まっておらず、90%の人は最終的に購入するに至った商品しか手に取っていなかったことも明らかになった。
156
chap6 思考の本質に迫る
思考はあることがらを説明するのに「代役」の役割を果たすコンセプトを必要とする。思考がこの代役を必要とするからこそ、真相に隠れた思考や思考間のつながりを引き出すのにメタファー(ある事柄を別の事柄で表現する方法)を使用することが効果的なのである。164
消費者の思考が彼ら自身の嗜好や商品選択に影響を与える。
コンセンサス・マップは、ある特定の問題や、商品、サービス、それらを提供する企業に関して、多くの消費者が共通して持っている思考を束ねて図式化したものである。161
特定の消費者層に共通してみられるコンストラクトの相互関係を表したものが、コンセンサス・マップである。173
↓
心に留めておかなければならないのは、個々の思考は単体として独立して存在するものではないということである。個々の思考は消費者の個々との中で互いに結びつき、消費者の行動と連動して作用する。162
コンストラクト:消費者の思考や行動をマーケターが解釈して表現したもの。164
コンストラクトが他のコンストラクトとネットワークを形成するというこの考え方は、経営にとっても非常に重要な意味を持つ。つまり、単体のコンストラクトではなく、コンストラクト間の関係が消費者行動に影響を与えるのである。171
▼
マネージャーやサーチャーが消費者の意識的な思考あるいは無意識的な思考を見つけ出し、その思考に貼る具体的なラベル及び名前。マーケッターは、消費者の思考を理解し、社内でそれに付いて検討し、あるいは消費者に語りかける際の手段としてコンストラクトを用いる。たとえば、ゼネラルミルズの調査では、子供たちらの栄養摂取に関して、多くの消費者が「子供もたちはジャンクフードが大好きである」ことに触れた。これは「子供たち」「ジャンクフード」「大好きである」という3つのコンセプトをまとめた思考である。同社の調査チームはこれらの思考に「ネガティブなニュートリーション」(不健康な栄)という羅別をつけ、コンストラクト化した。14
cf.コーヒーを飲んで生き返った気分になるのと、水を飲んで生き返った気分になるのとでは、意味が異なるのである。168
消費者の買い物経験は国が変わっても非常に似通っていることを見いだした。また別の多国籍企業は、文化が異なれば顧客が欲しがる製品も大きく異なると思い込んでいたが、実際には同じような製品を嗜好することを発見した。169
フランス、日本、インド、エジプト、アメリカなどの消費者は一様に、買い物を旅行に喩えて表現することがわかった。文化的背景は異なっていても、買い物プロセスを旅行に置ける道しるべや、行き先、いらだち、驚き、成功、失敗、自己達成感になぞらえて認識していた。170