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chap7市場の心を理解する
コンセンサス・マップは、ある特定の問題や、商品、サービス、それらを提供する企業に関して、多くの消費者が共通して持っている思考を束ねて図式化したものである。161
特定の消費者層に共通してみられるコンストラクトの相互関係を表したものが、コンセンサス・マップである。173
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心に留めておかなければならないのは、個々の思考は単体として独立して存在するものではないということである。個々の思考は消費者の個々との中で互いに結びつき、消費者の行動と連動して作用する。162
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コンストラクト:消費者の思考や行動をマーケターが解釈して表現したもの。164
コンストラクトが他のコンストラクトとネットワークを形成するというこの考え方は、経営にとっても非常に重要な意味を持つ。つまり、単体のコンストラクトではなく、コンストラクト間の関係が消費者行動に影響を与えるのである。171
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マネージャーやサーチャーが消費者の意識的な思考あるいは無意識的な思考を見つけ出し、その思考に貼る具体的なラベル及び名前。マーケッターは、消費者の思考を理解し、社内でそれに付いて検討し、あるいは消費者に語りかける際の手段としてコンストラクトを用いる。たとえば、ゼネラルミルズの調査では、子供たちらの栄養摂取に関して、多くの消費者が「子供もたちはジャンクフードが大好きである」ことに触れた。これは「子供たち」「ジャンクフード」「大好きである」という3つのコンセプトをまとめた思考である。同社の調査チームはこれらの思考に「ネガティブなニュートリーション」(不健康な栄)という羅別をつけ、コンストラクト化した。14
メタファーを引き出すZMET調査 184
コンセンサスマップを用いると、消費者との関わり方をリエンジニアリング(再構築)できるようになり、商品を今までと違った目で見てもらえるよう消費者を方向付けることが出来る。人間の脳(必然的に心も)は成人になってもずっと可塑性を持ち続けているため、マーケッターはマップを変化冴えることによって、消費者の思考に新しいコンストラクトを想起ささせ、既存のコンストラクトに新たな関連付けを施すことが出来る。つまり、コンセンサスマップに変化を加えることによって、市場の心を再構築することが出来る。186