とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

「アカデミック・ライティング」とは何か

2016-09-15 19:26:13 | 国語
 大阪大学で「アカデミック・ライティング」という学生向けの小冊子を作っています。インターネットでダウンロードができるので、ぜひ見ていただきたいと思います。

 それを見ると、「アカデミック・ライティング」というのは文章の書き方よりも広い意味で使われていることがわかります。

 その小冊子の「2アカデミックライティングとは」で「アカデミックライティング」の定義説明をしています。

大学で作成が求められる、レポート課題やゼミレジュメをはじめとして、卒業論文や研究学術論文などの学術的な文章を書く技術、書く行為、または書いた物のことをアカデミック・ライティングといいます。


 これだけを読むと書き方だけを言っているように思えますが、中身を読んでいくと、問いの立て方からスタートしていることが分かります。例えば「2.2アカデミック・ライティングが必要か」には次のように書いています。

 大学の授業でレポート課題がよく出される理由は、大学の学問では答えのない問題をあつかうことが多いからです。新しい発見をめざす研究はもちろんですが、せでに分かっていることでも解釈が分かれたり、位置づけのはっきりしない事柄は案外多いのです。答えのない問題について、知識偏重の単純なテストをすることはあまり意味がありません。教員としては、受講者がどの程度授業の内容を理解しているか、また自分なりの問いや答えを見つけることにどれだけの努力を行ったか、確認するために課しているのです。


 これは今流行りの「アクティブラーニング」の考え方そのものです。「アクティブラーニング」と一体となる文章の書き方を「アカデミック・ライティング」と言っていることが分かってきます。大学の教育改革の大きな柱として位置づけようとしていることが見えてくるわけです。
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