とにかく書いておかないと

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現代文の参考書シリーズ 言語論①

2016-09-17 20:08:36 | 現代文の参考書
言語論① 言葉がモノより先にある

 「言語論」と呼ばれる評論があります。多くの評論の中で、高校の現代文の教科書で一番取り上げられている分野だと思います。言語論はとても現代的なテーマです。「ポストモダン」のひとつといっていいものです。他の「ポストモダン」評論と同じようにかなり難しいものです。しかし「ポストモダン」の考え方の基本的なものであり、しっかりと理解しておくと応用がくので現代文の読解が楽になります。

〔「ポストモダン」とは何か〕
 まずは確認しておきましょう。ポストモダンとはどういうものだったしょうか。ポストは「~の後」という意味です。モダンとは「近代」という意味です。だからポストモダンは「近代の後」という意味になります。

 さて、それでは「近代」なんなのでしょうか。簡単に言ってしまえば次のようになります。

   「近代」=「私たちの常識」

 「ポストモダン」とは「近代後」のことであり、「私たちの常識は何かまちがっていたのではないか、本当はこう考えたほうが正しいのではないか」という考えのことです。

 ですから、ポストモダンの評論を読解する場合の鉄則は、

  ①「モダン」=「近代」=「私たちの常識」を再認識すること。
  ②その「私たちの常識」のどこが違うと筆者が言おうとしているのかを読み取ること。


です。

〔言語論とは何か〕
 このことを念頭において「言語論」について考えてみましょう。

 言葉についての「私たちの常識」はなんでしょうか。それは、

  モノがあって、初めてそれに名前がつけられる。
 

 つまり、

  モノが言葉に先行する。

というものです。

 それに対して、ポストモダンの評論の主張は

  言語とモノは同時に存在する。もしくは言葉のほうがモノに先行する。

 というものなのです。

 次回このことをもう少し詳しく説明していきましょう。
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