とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

シンゴジラは無理しすぎ

2016-09-24 07:34:19 | 映画
 シンゴジラを見ました。面白かったのですが、特別大ヒットするような映画でもないと思いました。わたしにとってマイナス要因となったことはこの映画のご都合主義です。

 ご都合主義の1点目はステレオタイプの日本人の描き方です。ゴジラが登場し、その対応に日本政府が右往左往します。日本政府は組織で動かなければならずすべてがまどろっこしい。こういう日本という組織の批判は『踊る大捜査線』で描かれ、その後もさまざまな作品で描かれてきました。パターン化してしまったストーリーは描きやすいのですが、時代とともに戯画化されリアリティを失っていきます。一方では各省庁の仕事ができるが変わり者が集められた対策室の様子もパターン化された一匹狼の集団であり、日本の映画やテレビで得意としたものです。かれらの活躍はもちろん面白いのですが、あまりにも非現実的に見えます。

 ご都合主義の2点目はゴジラそのものです。どんな攻撃にも対応してしまうというのはいくらなんでも無理な設定ですし、逆に最後の人間側の攻撃はあまりにもご都合主義的な展開でした。(これは見ている人は誰もが感じたはずです。)

 東日本大震災時の危機対応、日米安保、集団的自衛権、日本型組織など、さまざまな面での現在の日本を描き、考えさせられ、しかも楽しめるという娯楽作品に仕上がっています。しかし2時間に収めるために、無理をしすぎた映画のように私には感じられました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする