とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

「〈害虫〉の誕生」と自然災害

2018-07-11 09:28:26 | 国語
 教育出版の『新編現代文B』に「〈害虫〉の誕生」という教材がある。難しすぎなく、また筆者の主張とその根拠が明確になっており、また構成もわりとしっかりとしているので、高校の上級生が学ぶ教材としてはいい教材だと評価したい。

 最初の一文で、
「〈害虫〉とは何だろうか」
と、問題提起がなされ、最後の形式段落で
「人間にとって有害な虫をひとくくりにして総称する「害虫」というカテゴリーは、日本においては近代の産物である。」
と、筆者の主張がなされている。そしてその間にその主張にいたる筆者の論理が展開している。明確な根拠があるので論理が把握しやすい。「害虫」は高校生にとってあまり興味のあるテーマではないかもしれないが、「近代」について考えるという意味では分かりやすい教材である。

 近代以前には「害虫」という概念がなかった。だから害虫を駆除するという発想がなかったという。当時の日本人は自然を神と考えていた。だから自然を人の力で制御するという発想がなかったのである。自然とは受け入れるべきものであったのである。

 近年異常気象が頻繁に災害をもたらしている。被害にあわれた方にお見舞い申し上げる。この異常気象が自然本来の姿なのか、それとも人間の環境破壊が原因なのか。「自然」の姿をしっかりと見据え、原因を追究し、現代人としてのエゴを抑え、人類としての対応を考えなければならない。
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