
NODAMAP「THE BEE」を見ました。人間の愚かさが戦争を生み出すという、戦争の真実を訴える恐ろしい作品です。、2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件に触発された野田秀樹が、筒井康隆の小説「毟りあい」を題材に、イギリス・ロンドンで現地演劇人とワークショップを重ねながら書き下ろした英語戯曲。2006年にロンドンで初演され、2007年には日本語版が東京で上演された。
作・演出 野田秀樹
出演 阿部サダヲ、長澤まさみ、河内大和、川平慈英
(あらすじ)
平凡なサラリーマンである井戸が帰宅すると、我が家の前が騒がしい。警察とマスコミでごった返している。脱獄囚・小古呂が井戸の妻子を人質に取り、井戸宅に立てこもっていたのだ。井戸は妻子を救出しようと、警察と共に行動を起こすが、警官の拳銃を奪い、小古呂の住居に行き、逆に妻と子どもを人質にする。井戸と小古呂は互いに人質を傷めつけていく。
この作品はアメリカ同時多発テロに触発されて作った作品だそうですが、あらゆる戦争は同じように、「やられたらやり返す」の連鎖です。そして「やられたらやり返す」を続けていくと、感覚がマヒしてしまいます。人間の行動は限度を超えてしまい、それがどういう意味かもわからなくなります。犠牲になるのは一般の人間なのです。
空を飛ぶ、BEEはアメリカ同時多発テロの飛行機のようでもありますが、戦時中の爆撃機のようにも感じられます。そして原爆を落としたアメリカの飛行機のようにも感じられます。
戦争の責任は「人間」であるというのを強く感じる作品でした。
キャストはみんな狂気を帯びた愚かな人間を見事に演じています。演技にも感動しました。
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