標準語では「~です」と言うべき時に、山形弁では「~た」という表現をすることがある。例えば電話に出た時、標準語では
「もしもし、山田です。」
と言うはずの場面で、
「もしもし、山田でしたー。」
と言うのである。他県から来た人は、この表現に大変驚くことであろう。
この表現について疑問には感じていたのだが、まあ単なる方言だと思っていたのだが、最近この表現についてのおもしろい考察を発見した。放送大学の『新しい言語学』の中で類似の表現を説明していたのである。このような表現は「対人配慮(ポライトネス)の『田』」と説明している。現在形で表現すべきところを過去形で表現することによって遠回しな印象を与え、婉曲な表現になるというのである。
具体例として次のような表現を挙げている。
・ご注文は以上でよろしかったでしょうか。
・(新千歳空港で荷物を預けるとき係員が)乗車券はいけんしてましたー。
・(仙台のホテルで)ドアの内側に非常口のご案内がありましたー。
・(仙台のレストランで)お席でのお会計でしたので、このままお待ちください。
このような「た」表現は東北や、北海道で少しずつ広がっているそうである。
長年の疑問が氷解するような納得いく説明だと思うし、また徐々に変化する言葉を感じる案件でもある。方言について興味がわいてきている。
「もしもし、山田です。」
と言うはずの場面で、
「もしもし、山田でしたー。」
と言うのである。他県から来た人は、この表現に大変驚くことであろう。
この表現について疑問には感じていたのだが、まあ単なる方言だと思っていたのだが、最近この表現についてのおもしろい考察を発見した。放送大学の『新しい言語学』の中で類似の表現を説明していたのである。このような表現は「対人配慮(ポライトネス)の『田』」と説明している。現在形で表現すべきところを過去形で表現することによって遠回しな印象を与え、婉曲な表現になるというのである。
具体例として次のような表現を挙げている。
・ご注文は以上でよろしかったでしょうか。
・(新千歳空港で荷物を預けるとき係員が)乗車券はいけんしてましたー。
・(仙台のホテルで)ドアの内側に非常口のご案内がありましたー。
・(仙台のレストランで)お席でのお会計でしたので、このままお待ちください。
このような「た」表現は東北や、北海道で少しずつ広がっているそうである。
長年の疑問が氷解するような納得いく説明だと思うし、また徐々に変化する言葉を感じる案件でもある。方言について興味がわいてきている。
営業先に訪問していると、別の営業さんがやって来る。その時に「○○でしたー。」と言って入って来るのが、とても奇妙に思えたのを思い出します。今でも山形の顧客から電話があると、「○○でしたけどもー」って言われるので、その度に微笑ましく思います。
さて、これが一種の婉曲表現というのはすごく納得いきます。
私の出身地九州でも「○○でよろしかったでしょうか」は以前から使われていたような記憶があります。九州独特の表現と思っていたら、東京でも使うようになって、こういう婉曲表現の伝播力はすごいなと感じていました。もしかすると九州起源ではないかもしれませんが。