「今年の漢字」が発表された。「金」である。「今年の漢字」は日本漢字検定協会が毎年発表しているものである。毎年大きな話題になる。しかし最近「今年の漢字」に関する注目度が落ちているように感じる。これは公募制で決定されているからだと考えられる。
公募制が「今年の漢字」の期待感をうばってしまった。「今年の漢字」は「流行語大賞」と同じように今年一年の総括といっていい。だからみんなが注目していた。ちょっと意外な漢字が実は今年を表しているという「なるほど感」がおもしろく、みんな注目していたのだ。しかし、「今年の漢字」は公募制だったので、だれもがインターネットで予想を見てから投票するようになった。だから意外性がなくなり、発表された瞬間、「やっぱりね」という気持ちしか起きなくなったのだ。
確かに、ずっと公募制ではあった。だからなぜ今になって問題になるのか不思議に思うかもしれない。しかし、それはインターネットの急激な普及のせいである。昔は「今年の漢字」をインターネットを使って応募するということもしなかった。今はインターネットのさまざまな予想を見てインターネットで応募した人がほとんどである。するとある特定に漢字に集中してしまうのは当然なのだ。
公募制は大切である。ブレる必要はない。しかし同じ漢字が何度も選ばれるのはさすがに興ざめだ。同じ漢字を選ばないような工夫が必要だと考える。