昨年末、取材・編集作業に追われた情報誌が、この月末、立て続けに発行され、私の手元にもやっと届きました。今日はそのコマーシャルを。
静岡県総合情報誌『MYしずおか』43号(2010年冬号)は、川勝知事と榊原英資さん(早稲田大学教授)が「食と農」について対談しています。
かつて大蔵省で“ミスター円”の異名をとった榊原さんが、なぜ農業のハナシ?と、最初は不思議に思いましたが、為替政策のスペシャリストとして世界各国を飛び回っていたころ、訪問先で食事が唯一の楽しみだったとしみじみ語る榊原さんが、現役を離れた後、食文化への造詣を深めていかれたというのは、自然ななりゆきだったのかもしれません。川勝知事とは旧知の仲で、現在は静岡県緊急経済対策諮問委員も務めておられます。
榊原さんの発言では「日本は江戸時代に回帰すべき。幕末に日本に渡来した西洋人は“この国は美しいと表現するしかないほど美しい”“親和的な国”“どこに行っても親切。こんな国はヨーロッパにはない”と称賛した。廃藩置県ではなく、廃県置藩こそ日本のポストモダンだ」というのが印象的でした。
また、「フランスの農事功労章制度(農業に貢献した料理人を表彰する制度)を日本にも導入し、手始めに静岡県からやってはどうか」という提言。知事も早速動き出しているようです。
日本では、食と農が分離してしまっていて、生産者は収穫物をJAに納めて終わり。なかなか消費の現場につながっていきません。
「作ったものは必ず食べられるのだから、農と食、生産と消費がひっついていなければダメ」と榊原さん。知事は「静岡県は食材が豊富で質も良く、農に力点があり過ぎて、食に対するデザイン力や情報発信力が足りない。何がどこで作られ、どこで食べられるか、農と食のガイドが必要。地震など自然災害への危機管理の観点からも、食材がどこでどれだけ作られ、どう流通・消費されているか把握しておく必要もある」と応えていました。
そんなお2人にぜひ読んでいただきたいのが、JA静岡経済連季刊誌『スマイル』。出来たてほやほやの42号は、全編「紅ほっぺ」の大特集です。
当ブログでも取材裏話を披露したとおり、JA遠州夢咲の生産地、生産技術コンサルタントの解説による紅ほっぺ栽培の秘訣(作り手)、浜松市中央卸売市場や遠鉄ストア(売り手)、新宿高野本店やパティスリー・ナチュレナチュール(清水町)を紹介しました。
本文のキャッチコピーには、わがしずおか地酒研究会のキャッチフレーズ「造り手・売り手・飲み手の和」をパクった「作り手・売り手・買い手の輪」を採用。紅ほっぺクラスのメジャーな農産物だからこそ、このように1冊まるごと特集で紹介できるのかもしれませんが、私自身、これまでも、これからも、地元の酒や食を取材するときは、知事がおっしゃるように「どこで作られ、どうやって流通され、どのように消費されているかを把握する」ことが一番大事だと思っているので、ぜひそのような情報発信媒体に、県やJAは予算を割いてほしい!と切に願う次第です。
『MYしずおか』は、県ホームページで閲覧できるほか、県内公共施設・銀行・病院・診療所等に置いてあり、各地の県民サービスセンターに配布用もあります。直接取り寄せも可能(〒420-8601 静岡県広報局まで180円切手同封で)。
『スマイル』は県内主要JA・ファーマーズマーケット・Aコープ等の窓口に置いてありますが、当ブログ読者には私から無料進呈しますので、ぜひ読んでみたいという方、鈴木までメールください(プロフィール欄参照)。