杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

平成最後の日によせて

2019-04-30 14:18:43 | 日記・エッセイ・コラム

 平成最後の日ということで、しばらくお休みしていたブログを再開します。テンプレートも一新しました。よろしくお願いします。

 平成の30年間、山あり谷ありでしたが〈ライター〉を肩書に仕事し続けてこられた幸運に、あらためて感謝したいと思います。とりわけ、初めて酒蔵を訪れたのが平成元年2月でしたから、当時の、静岡の酒の取材をライフワークにしたいという夢を、平成が終わる今も追い続けていられることに深い感慨を覚えます。

 人が成長するのは、知らないことや経験しないこと、遠くから憧れ眺める対象を必死に追いかける時間だと思います。一つのテーマを長く追っかけていると、ついつい知ったつもりになったり後から来る人を軽く見たりしがちです。でも自分のこれまでの知見なんて、大宇宙のチリみたいに微小なモノなんだと、どこかでつねに意識し続けていかなければ、成長はおろか、人としての停滞・衰退を招くでしょう。多くの人に何かを伝える仕事で最たるリスクとは、不遜な自意識。「貪欲で愚かであれ」というスティーブ・ジョブズの言葉がしみじみ響きます。

 長くかかわってきたことにも、つねに新鮮な感動や発見ができる感性を持つために、令和時代にふさわしい第二第三のライフワークを見つけ、このブログでも発信していけたらと思っています。

 今後とも「杯が乾くまで」をどうぞよろしくお願いします。