昨夜(29日)は『吟醸王国しずおか』映像製作委員会の有志5人で忘年会。急な召集にもかからわず、時間を割いて清水の河良さんまで足を運んでくれました。当日予約で無理をお願いした河良のご主人河本さんも、市場が休みに入ってネタが少ないので申し訳ないと言いつつ、手持ちの食材で最高の料理を出しますよ、と腕によりをかけてくれました。
昨夜の主役はSBSアナウンサーの國本良博さん。國本さんには10月の地酒まつり(沼津)の件でいろいろとご迷惑をおかけしたこともあり、そのお詫びと報告、そして、明日12月31日を以てSBSを定年退職されるということで、永年の慰労と感謝をお伝えいたしたく、お忙しい中、無理をお願いして来ていただきました。
年明け以降、フリーになられるということで、以前から『吟醸王国しずおか』の制作にもぜひお力添えをいただきたいと考えており、昨夜はそのお願いをする目的もありました。
共に労をねぎらおうと駆けつけてくれた篠田和雄さん(真ん中)はご存知・篠田酒店店主。金融機関にお勤めの小楠享司さん(左から2人目)は、地酒研草創期からのメンバーで家族4人1人ずつ(20歳になったばかりで日本酒を飲んだことのない娘さんまで)会員になってくれたほど熱い支持者。
久留聡さん(左端)は木工手作り家具やおもちゃを作る埼玉出身の若き職人さんで、焼津の造船技術を学ぼうと地縁血縁のない静岡へやってきて岡部に住まいを構え、結婚式を挙げた神(みわ)神社でたまたま飲んだ初亀の美味しさにビックリ。その後藤枝に引っ越して、たまたま縁あって訪問した喜久醉の蔵元の人柄にカンゲキ。これからの杜氏蔵人が望む酒造道具を作ってみたい!と熱い思いを抱く人。仲間に入ったのは最近ですが、人一倍真剣に映画制作のことを考え、素晴らしいアイディアを次々に出してくれています。
國本さんも、お会いする前は、「日本酒には悪い思い出しかない、敬遠していた」派。たまたま担当の朝のラジオ番組で静岡酵母の河村先生を取材され、地酒談議で盛り上がっていた放送を聴いた私は、企画を任されていた静岡市立南部図書館の地酒講座のプログラムにエッセイを寄せていただこうと知人を通してお願いをし、講座へも半ば強制的?に来ていただいたのがきっかけでした。
「あのとき、4種類の酒を試飲させられたでしょ、同じ日本酒なのに全然違っていた。素人判断で素直にこれが一番ウマイ!と思ったのが静岡の吟醸酒だった。それからですよ」と國本さん。
フツウに考えれば、たまたま関わっただけにすぎない静岡の酒の世界だったはずなのに、その後の國本さんは“新しい世界を見つけた喜び”を実践されるかのように、しずおか地酒研究会の発足や運営をサポートし、縁を結んだ蔵元衆を純粋に応援したいから、と、無償で酒造組合のイベントに協力してくれるようになりました。
SBSのアナウンサー仲間や名パートナーの樹根さんを酒の世界に引き入れてくれて、最近では好きな蔵元へご家族全員で訪問し、生まれたばかりのお孫さんに吟醸酒の香りを嗅がせた?ほど(笑)。
今まで敬遠していたもの→実は一部しか知らなかった、本当は大変価値ある世界だったことに気づいた→知らないことを無性に知りたくなった→自分に新たな価値観と楽しみを与えてくれたことに感謝→そのことを周囲に伝えたくなった→ビジネスではなく自分自身の役割として。
こういう行動原理は、私がそうだったし、久留さんも同じのようで、國本さんの話に「まったく自分もその通り」と頷きっぱなし。熱く語り合う國本さんと久留さんに、ニコニコしながら耳を傾ける小楠さん、ちょっと不思議な空気感を持つ篠田さん、こちらのペースにはお構いなしで、この料理にはこの酒!と、磯自慢、國香、正雪、初亀、萩錦、小夜衣(…ほとんどが河本さんが篠田さんに特別オーダーした大吟の斗瓶生原酒の熟成モノ)を有無も言わさず出してくる河本さん。
・・・酒でしかつながっていない6人ですが、それぞれのキャラが見えてきて、楽しい会話、おいしい料理、素晴らしい酒の三つ巴であっという間に時間は過ぎてしまいました。
結構な酒量だったのに気分爽快で、今朝もまったく爽やかな目ざめです。う~ん、こんないい飲み方なら、日本酒嫌いになるはずないのになぁとしみじみ実感です。
改めてうかがった國本さんの酒への思いと、新たに縁を持った久留さんの志に、「資金力や組織の大きさ云々ではない、気持ちが人を動かすんだ」との思いを熱くしました。
國本さん、本当にありがとうございました&お疲れ様でした。
来年は、映画制作に一定の区切りをつける節目の年になると思います。どうか無事フィニッシュできるよう、ご支援をよろしくお願いいたします。
最後に番組PRを。
國本良博さんがSBSアナウンサーとして出演する最後の番組―12月31日22時から翌1月1日1時までの越年特別プログラムがSBSラジオでオンエアされるそうです。
「2009年12月31日24時で退職なはずなんだけどね」と苦笑いする國本さんですが、この番組は、後輩アナや制作担当者が、國本さんのために特別に企画したそうで、「定年退職最後の日の、日付けが変わるその瞬間までマイクの前に僕の席を作ってくれた後輩たちには感謝の気持ちで一杯。こんな幸せな退職者はいないよね」と感無量の表情でした。
大みそかの年越しは、ぜひSBSラジオをお聴きくださいね!!