連休前半、お天気に恵まれましたね。私は3日間とも仕事がらみであちこち出かけました。久しぶりにきれいなモノ・美味しいモノにありつけてHAPPYな連休でした!
4月27日(土)は、かみかわ陽子ラジオシェイクの収録で、ゲストに、静岡市の安倍奥・油山のバラ生産者鈴木雄介さんをお招きしました。
鈴木さんが作った深紅のバラ『ヌーベルヴァーグ』は、今年の関東東海花の博覧会(花卉の品質コンテストでは日本で最も権威があるといわれる品評会)で、最高賞(農林水産大臣賞)を受賞しました。そのヌーベルヴァーグを、4月20日に新宿御苑で行われた安倍総理主催の桜をみる会で、陽子さんが総理に直接プレゼントしたんですね。そんな経緯でゲスト出演と相成りました。
22歳で、両親のバラづくりを継ごうと家業に入り、現在34歳の鈴木さん。栽培が難しいといわれるヌーベルヴァーグに挑戦して5年目の快挙だそうです。ニュージーランドで育種された品種で、色は黒味がかった赤・花びらがギザギザになっているのが特徴です。最近のバラのトレンドは、どちらかといえば、淡い中間色やパステルカラーなんだそうですが、あえてトレンドに背を向け、直球勝負で挑んだのが奏功したんですね。家業を継ごうと思ったきっかけを「両親が、とても楽しそうに、イキイキとバラを作っていたから」と明快なお答え。こういう若い後継者が身近にいるって、なんだかこちらも勇気付けられるような気がします。
番組内では、私からも松下明弘さんの【ロジカルな田んぼ】について紹介コメントを入れさせてもらいました。オンエアは連休明けの5月7日(火)18時30分からFM-Hi (76.9) です。静岡・清水・藤枝の一部エリアしか聴けないんですが、聴ける人はお願いしますね♪
28日(日)は、下田自酒倶楽部が企画販売するご当地酒『黎明(れいめい)』の新酒お披露目会に参加するため、友人を伴い、電車で下田まで遠征しました。お昼に着いて、まずは駅のそばにある蕎麦処【いし塚】に。以前、アットエス地酒が飲める店(こちら)で紹介させてもらって以来、下田で國香が飲める貴重な店としてすっかりファンになりました。
私の地酒取材歴の中でもベスト5に入る!國香×いし塚の蕎麦味噌コラボ。あまり日本酒を飲みつけない友人も、スイスイ味わってました。いただいたのは國香特別純米でしたが、他の蔵の凡庸な純米大吟を完全に凌駕する素晴らしい味わい!。繊細な香味が絶妙に調和し、私が何より蔵元・松尾さんの酒らしいと感じる、ノド越しがストンと落ちる、そのさばけの良さが見事に表現されていました。この酒質を純米酒クラスで発揮できるとは、実に恐るべき蔵元杜氏だ・・・と改めて敬服、というか、本当に「出会えてよかったぁ」と心から感動する酒質です。
今、國香は特約店でも品切れ状態で、ファンはやきもきしていますが、松尾さんには過度なプレッシャーを与えず、ご自身がトコトン納得する酒だけを造り続けてほしいと思います。
下田自酒倶楽部のご当地酒『黎明』は、過去記事(こちら)でも紹介したとおり、下田で育てたキヌヒカリを原料に、富士高砂酒造に製造委託した純米吟醸です。一時期、沼津の『白隠正宗』高嶋酒造で造ったこともありましたが、今は高砂さんに戻ったようです。下田市内の酒販店仲間が会員を募り、地域で買い支え、下田の新たな観光特産品に育てていこうと頑張っています。事務局を預かる下田ケーブルテレビの渡邉社長がなかなかのアイディアマンで、女子力を活用して“黎明ガールズ”に田植えや稲刈りのPR隊になってもらおうと準備していて、私のような耳年増のオバサンには、若い女子たちへの地酒指南ぐらいしか手伝う余地はありませんが、下田では、楠山市長はじめ、大切にしていきたい、いろいろな酒縁があるので、出来る限りのお手伝いをと考えています。
この日は水産会社の社長さんが、アワビの刺身盛りをドーンと差し入れてくれました。コリコリとした黒アワビ、マイルドな白アワビ、アワビの肝など等・・・ふだんの飲酒生活では考えられない贅沢な酒肴が並び、ホント、眼が白黒状態でした。
29日(月)は、天竜茶の太田昌孝さんの出品茶摘み取り作業を取材に行きました。天竜の太田さん・・・知ってる人にはおなじみ、静岡県いや日本を代表するお茶作りの名人ですね。昨年の全国茶品評会普通煎茶4キロの部で最高賞(農林水産大臣賞)受賞をはじめ、数々の受賞歴を誇り、2008年の北海道洞爺湖サミットでは太田さんのお茶が各国首脳にふるまわれました。太田さんの最高級茶を水で抽出したお茶をワインボトルに詰めた『MASA』は、高級ギフトとして有名百貨店等で注目されています。
この時期は各マスコミの取材も殺到していて、TBS、テレビ東京、朝日新聞にニアミスしました。私のようなローカルライターが取材に来ました~と言っても、お茶摘み支援隊の皆さんはどこ吹く風で、「写真はこういう角度で撮りなさい」とご指南くださるおばちゃんも(笑)。取材慣れした方々のおかげでスムーズに進みました。
太田さんの茶園を訪ねるのは2回目。前回訪ねたときは、朝日新聞の記者とバッティングしてしまって、十分なお話が聞けなかったところ、奥様があれこれサポートしてくださいました。そこで、お礼も兼ねて、下田で調達したキンメダイの干物を差し入れ。「山では手に入らないわねえ~」と、とても喜んでいただきました。
すべて手摘みの出品茶摘み取りには、近隣から100人の助っ人が集まります。その方々の食事やおやつの世話をはじめ、摘葉や精揉に必要な道具の手入れや準備はすべて奥様の仕事。気がつくと、奥様は玄関の上がり場でハァ~っと息をついて疲れたご様子でした。この日はアテにしていた親戚が急病で来れなくなり、本当にお一人で大変だったそうです。・・・でも名人を支える妻というのは気丈ですね。
太田さんは「お茶は自分の子どもより可愛い」と口癖のようにおっしゃる人ですが、確かに太田さんのお茶も、奥様との二人三脚で産まれるものだと実感しました。
帰り道、遠州森町一宮駅近くを通り、久しぶりに入鹿ハムさんに立ち寄りました。國香酒造の仕込み水を使って作るハムやベーコンとして何度か取材させてもらった店です。「このところ松尾さんがお忙しいのでお水をもらいに行くの、遠慮しているんですよ」と申し訳なさそうにおっしゃっていましたが、なんのなんの、この店のロースハムも、石塚さんの蕎麦味噌に負けないくらい、私的には、ベスト・オブ・國香の酒肴です。
それにしても、静岡県は東西南北、なんと、食の豊かな県だろうと、改めてしみじみ感動します。と同時に、世に溢れるグルメ情報の洪水の中、こういう豊かさを的確に伝えるにはどうしたらいいんだろうと、改めてグズグズ悩んでしまいます・・・。