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インドネシアのエッセンシャルオイル 

2021-07-11 10:49:07 | 報道/ニュース

2021年6月15日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


アロマセラピーなどでおなじみのエッセンシャルオイル。
精油ともいわれるエッセンシャルオイルは
植物から抽出される香り高い天然のオイル。
インドネシアではレモングラスなど原料となる植物が豊富で
古くから生産されてきた。
エステやマッサージにも使われていて
リゾートで訪れる外国人観光客にも人気だった。
いまは新型コロナウィルスの影響で外国人観光客が入国できなくなっているが
エッセンシャルオイルの需要は高まっているようである。
さらにこのエッセンシャルオイルは
インドネシアの貴重な世界遺産を守るのにも使われるようになっていて
驚きの効果が注目されている。

5月29日 ジョグジャカルタ市内にオープンしたエッセンシャルオイルの専門店。
店内は大賑わい。
生産も手掛けるこの店は
10mあたり270円ほどで
これまで地元の市場やインターネットのみで販売していた。
ところが去年新型コロナウィルスの拡大にともない
1か月の売り上げが最大で7倍に増加。
(客)
「エッセンシャルオイルが疲労をやわらげてくれます。
 寝る時にも使っているのでぐっすりと眠れます。」
店のオーナーは消費者がいつでも買えるようにとこの店舗をオープンさせたという。
(専門店オーナー)
「みんなコロナ禍で活動を制限されストレスを感じやすくなっています。
 エッセンシャルオイルの香りを嗅げば
 心が安らぐと思います。」
オーナーの自宅に設置されたエッセンシャルオイルの製造機械もフル稼働である。
今はレモングラスを使ったエッセンシャルオイルが生産されている。
(製造担当者)
「原料のレモングラスからオイルを精製する工程です。
 水蒸気蒸留装置を使っていて
 4~6時間かかります。」
生産に時間と手間がかかるエッセンシャルオイル
レモングラスの葉20㎏からわずか100mlしか抽出できない。
いまインドネシアではエッセンシャルオイルの意外な使われ方が注目されている。
世界遺産「ボロブドゥール寺院」。
8~9世紀にかけて建立された世界最大の石造りの仏教寺院。
長年こけの繁殖に悩まされてきた。
そこに何やらタンクを担いだ人たちが・・・。
壁に吹きかけているのはエッセンシャルオイルを薄めた特殊な液体である。
この日散布したのは約15リットル。
早ければわずか1日で効果が出るという。
翌日同じ場所を見てみると
こけは茶色くなって枯れていた。
ボロブドゥール寺院にとってこけは大敵。
石に浸食して穴だらけにしたり
割れ目を拡大させたりする。
熱帯のインドネシアでは特に成長が早いため
放っておくと建物が崩落する危険すらある。
以前は化学薬品である農薬が大量に使われていたが
石材を傷つけたり土壌を汚染することが分かり
2008年に使用中止に。
それからは途方もない時間と労力をかけ手作業でこけを取り除いていた。
なんとか安全かつ効率よくこけの繁殖を防ぐ方法はないか。
ボロブドゥール保全センターが長い研究の末
さまざまな種類のエッセンシャルオイルを試し
こけを取り除く効果のある植物を発見した。
(研究チームのリーダー チャヒヤンダルさん)
「このオイルはレモングラスから抽出されています。
 菌類の繁殖を抑制することが分かりました。」
実用化にいたるまで2015年から6年にわたり実験を繰り返したという。
「この石は6か月前にテストを行ったものです。
 ご覧のように新しいこけは生えてきていません。」
レモングラスオイルによってこけが枯れるだけでなく
散布した後
半年~1年新しいこけが生えないことも分かった。
チャヒヤンダルさんたちは
まず外壁に使用して石材に悪影響がないか最終確認を行い
来年からレリーフや仏像に使用していく予定である。
(研究チーム リーダー チャヒヤンダルさん)
「研究者として
 予想した通り
 理想的な保護プロセスだと思います。
 次の挑戦は他の文化遺産にどう使用していくか研究することです。」




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