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アップルとサムスン電子 特許を巡る争い

2012-09-04 13:02:37 | 海外ネットワーク


  9月1日 NHK海外ネットワーク

 
  特許をめぐって火花を散らす
  アメリカのアップルと韓国のサムスン電子。
  先週 アメリカでアップルの主張をほぼ全面的に認める評決が言い渡された。
  東京では31日 サムスンの主張が認められた。
  世界で加熱する訴訟合戦はどこまでエスカレートするのか。

  アメリカ カリフォルニア州の連邦地方裁判所は24日
  “サムスンがスマートフォンとタブレット端末のデザインを真似た”
  というアップルの訴えを認め
  10億4,900万ドル(825億円)の賠償を命じる評決を言い渡した。
  アップルの事実上の全面的勝利である。
  この日は亡きスティーブ・ジョブズ氏が
  CEO最高経営責任者の退任を発表してからちょうど1年経った日だった。
  評決を受けてアップルの株価は27日
  ニューヨークの株式市場で過去最高値を付けた。
  一方サムスン電子の株価は一時8%も下落した。
  
  裁判の対象となったのが旧型の機種で
  主力製品や新機種には今のところ影響は出ていないが
  それ以上にサムスンにとって痛手は
  “模倣”とみなされたことのイメージダウンである。
  
  世界シェア(4~6月)
  スマートフォン サムスン 32,6%
          アップル 16,9%
  タブレット端末 アップル 68,2%
          サムスン  9,6%

  この両者の特許を巡る争いは
  アメリカ、日本、韓国、ヨーロッパなど世界10か国に広がっていて
  裁判の件数は約50件にのぼっている。
  このうちドイツではアップルの訴えが認められた。
  オーストラリアとイギリスではアップルの訴えが退けられた。
  韓国では双方が特許の一部を侵害しているという評決。
  そして東京地方裁判所で
  “同期”で特許権を侵害したというアップルの訴えが退けられた。
  訴えもデザインから技術まで多岐にわたっていて
  裁判所の判断も各国で分かれている。

  アップルはサムスンから部品の提供を受けていて重要なパートナーでもあるが
  法廷での争いがさらにエスカレートするのか
  あるいは和解に向かうのか。

  次の焦点はサムスンの一部の機種について
  アメリカでの販売が差し止められるかどうかという点である。
  アップルは評決でほとんどの主張が認められたことを受けて
  サムスンのスマートフォン8種類の
  アメリカでの販売差し止めを裁判所に申し立てた。
  裁判所は12月の両者からの聞き取りを経て最終的な結論を出す見通しで
  裁判所の判断が注目される。
  今回の裁判はアップルが
  最大のライバルのグーグルに対して挑んだ代理戦争だという見方もある。 
  アップルの創業者 故スティーブ・ジョブズ氏は
  グーグルの基本ソフトアンドロイドが
  アップルの技術を盗んだとものだと主張して 
  「グーグル陣営を徹底的に叩き潰す。」
  とまで述べていた。
  サムスンはそのアンドロイドを採用していて
  グーグル陣営の筆頭格的な立場である。
  だからこそアップルがこの裁判に大きな力を入れてきたという背景もある。

  裁判の行方は急成長するこの業界の勢力図にも関わるものとして
  今後も注目されそうである。

  今後の裁判の結果次第で
  販売差し止めを命じられる可能性がないこともない。
  基本ソフトにアンドロイドを採用している日本のメーカーにも
  影響が出る可能性もある。
  アップルは最高の製品を作ることに命を注いでいて
  裁判は価値観の戦いだとしている。
  ただ専門家の間では法廷での争いに巨額の費用をつぎ込んでも
  消費者のためにはならないのではないか。
  かえって値段があがって選択肢が狭まることになりかねない
  と加熱する訴訟合戦に冷ややかな声も聞かれている。
 
  
  
  

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