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仏 公立学校“週4,5日制導入”で混乱

2014-10-16 07:15:00 | 報道/ニュース

10月6日 キャッチ!

 

フランスの公立の幼稚園と小学校ではこれまで週4日制を採用していた。
登校日は月火木金の週4日。
週のちょうど真ん中の水曜日は休み。
子どもたちは朝8時半ごろに登校
午前中は3時間の授業
2時間程度の昼休みをはさんだ後
午後も3時間の授業を受ける。
毎日6時間授業で下校するのは夕方6時ごろになる。
これでは子供たちは疲れてしまい集中力がかけて学習効率も悪くなるのではということで
9月から導入されたのが週4,5日制。
休日だった水曜日の午前中にも授業を行うことで他の曜日の授業時間を削減した。
この週4,5日制は子どもたちの負担を軽くする目的でオランド政権が2012年に打ち出したものである。
しかし新しい制度は教育現場では評価は分かれている。
9月最初の水曜日には一部の自治体で準備が間に合わず学校が閉鎖されるなど混乱もあった。

深夜こっそりと南京錠がかけられた校門。
同じことが他の小学校でも行われた。
学校閉鎖である。
「門に鎖が巻いてあるわ。」
「息子はどうすりゃいいんだ!」
校門前で響き渡る声。
保護者達が市長に学校閉鎖を講義しているのである。
「今日の授業分はいつ取り戻すのですか?」
「国民教育省と協議中です。
 私は新制度は賛成です。
 ただ時間が必要なのです。」
(保護者)
「2年間も準備期間がありました。
 なぜ私たちの街だけが出来ないのですか。」
子どもたちも戸惑っている。
「水曜日の授業があると思ったのに・・・。」
「早く学校に戻りたいです。」
「どうして休みなんですか?」
「君たちを教える指導員が足りないからだよ。」
3月に就任した市長は改革を実施するには遅すぎたと言う。
(市長)
「負担が増える新制度の予算を決める十分な時間がありませんでした。」
教育省からの回答がなければ翌週の水曜日も学校は閉鎖されることになる。
ある幼稚園は年少クラスから新たな時間割を始めた。
しかし教室不足という問題が持ち上がっている。
教師や教室も変わることもあり小さい子どもたちにとっては教室を見つけるのが大変である。
(園長)
「子どもたちは時間割についてよく質問してきます。
 新しい制度は子どもたちにとって非常に複雑です。」
一方 他の幼稚園では新制度の導入は比較的簡単だった。
(園長)
「1日6時間は長すぎました。
 子どもたちは疲れ切っていましたね。
 水曜日の午前中に授業ができるようになり学習面では効果が上がりました。」
放課後も時間を有効に使えるようになった。
(園長)
「子どもたちは放課後が大好きです。
 ヒップホップを踊る子もいますよ。
 教えることができる先生はいませんが放課後活動は授業を補うのに最適です。」

(中央大学文学部 池田賢市教授)
「今回の混乱は財政的な問題が大きい。
 フランスでは特に小学生の場合子どもたちだけで登下校することはない。
 必ず保護者か依頼を受けた人が送り迎えをする。
 今回週4日制から4,5日制にするということは
 保護者が仕事を終えて迎えに来るあいだ子どもたちを学校にとどめておく必要がある。
 仮に夕方までの間スポーツや工作といった課外活動を行う場合
 別に子どもたちを指導するための人を雇用しなければならなくなる。
 そのための財政的な措置が地方によっては難しいかもしれない。
 1週間の登校日数やどこを休みにするかという議論は
 子どもたちの学習や生活をリズムという発想でとらえて
 学力問題を子どもの疲労との関係でとらえることが中核にあった。
 この点がうまく改革の狙いとしてアピールできたがどうかが大きな問題。
 今回4,5日というように登校日を1日多くするわけだが
 家庭からは子どもと一緒に過ごす時間が減るとか
 家庭教育の自由という観点から反発が出る一方で
 休みの日にはテレビばかり見ているのではないか
 そんな家庭に子どもな任せておけない
 学校でしっかり教育するべきだといった反論もあり得る。
 今回の改革が本当に子どものためになっているのか
 そもそも多民族であるということ
 その多様性の上に立っているのがフランスという国家の特徴だ。
 それゆえに言葉の問題をはじめとして様々な教育課題がある現状の中で
 階層間の格差も厳しく問われなければならないし
 どうすればより良い学習環境が実現できるのかを議論することが求められる。」

 


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