3月24日 経済フロントライン
家事の代行をしてくれるのはフィリピン人の女性。
広島でカキの殻をむくのも外国人である。
建設現場で足場の組み立てを行なう浜松市の会社。
従業員20人のうち8人が外国人。
この半年で6人増やした。
彼らは技能実習生。
最長で5年間働くことが認められている。
日本での技術習得が本来の目的だが
日本人がなかなか集まらないなか貴重な戦力になっているという。
(足場組み立て会社 宝翔 後藤友亮社長)
「この際 外国人の比率を先を見越して増やしていこうじゃないか。
できるところは逆に全部外国人にしちゃおうじゃないかと。」
しかし外国人を雇うにはさまざまな制約がある。
11人の従業員のうち店長を含めて10人が外国人というコンビニエンスストア。
コンビニは技能実習制度の対象ではないため
働き手の多くは留学生である。
留学生の労働時間は週28時間までと決められている。
そのため忙しいときでも長く働いてもらうことができず
1人でも多く留学生を集めたいという。
(ローソン 芝浦八千代橋店 店長)
「求人を出しても日本人は来ないのが現状。
外国人がいなくなると店にとっては運営を続けられない。」
この日行なっていたのは来日したばかりの外国人への研修。
このコンビニチェーンでは欠員が出ないよう来日前から面接を実施し人手を確保している。
コンビニにスタッフを派遣している会社は
いずれ学業に支障がない範囲で労働時間の規制緩和されることを期待している。
(ローソンスタッフ 佐藤洋彰社長)
「週28時間で本当に彼らがそもそも生活が成り立っているのか心配。
数時間でもいいので若干の規制の緩和があるのであれば
都内や留学生が多い地域の人手不足は恩恵を受けると思う。」
今のままではいずれ外国人が日本で働いてくれなくなると心配している人がいる。
ベンチャー企業社長の松崎みささんである。
もともとはシンガポールで現地の人材を日本に紹介する仕事をしてきた松崎さん。
日本の人手不足の状況を知り
去年11月 日本にいる外国人に向けて仕事の情報を提供するアプリを作った。
登録している外国人は3,000人以上。
しかし企業側は“日本語ができてフルタイムで働ける”人材を求めることが多く
契約に至らないケースもあるという。
このままでは
シンガポールやマレーシアなど外国人が働きやすいとされる国に人材を奪われてしまうと危惧している。
(WORK JAPAN 松崎みさ社長)
「“他の国であれば英語ができれば働かせてもらえる”
“もっと働くことが簡単な国に行こうか”という選択肢が出てきて
日本が選ばれない国になってしまう可能性もある。
どんどん外国と人の取り合いになっていく状況が起きる。」